日本のスピードは通用するも、ドイツが勝負強さを発揮
3人制バスケ『3×3』、パリオリンピックの最後の出場権3つを争う世界最終予選(OQT)を戦う女子日本代表は、グループリーグを2勝1敗で突破して決勝トーナメントへ進んだ。準々決勝の相手はドイツ。立ち上がりからドライブでシュートを狙った高田静が相手に阻まれてコートに倒され、ドイツのシュートを中田珠未がブロック、そのリバウンドを出足の鋭さで高田が拾う、両チームともに必勝の気迫を押し出す展開となった。
ドイツは高さと強さを生かしたゴール下に強みがあり、対する日本はドライブのキレと運動量で対抗する。日本は開始1分半で3つとファウルが先行し、相手のパワフルなプレーを止めるのに苦労したが、試合の中で素早くアジャストしてディフェンスの強度を落とすことなく戦い続けた。
開始4分、高田の2点シュートで6-6に追い付いたあたりから、試合序盤から日本の速いペースに付いてきたドイツがスピード勝負で遅れを取り始める。こうなると日本の一番の武器である高田のドライブが生き、高橋未来も一瞬の加速で相手を振り切ってのレイアップを沈めて日本が優位に立つ。しかし、2点シュートがなかなか決まらず、高田に抜かれてもドイツの選手があきらめずに背後から腕を伸ばしてブロックに成功するなど、日本優位の時間帯であっても点差を広げて突き放すことができなかった。
また、ドイツは明らかに高田のドライブを嫌がり、その対応に苦慮していたが、高田一辺倒の単調な攻めになっていたのも否めない。宮下希保とのピック&ロールを仕掛けた時にはドイツは全く対応できず、高田のアシストから宮下のイージーレイアップが生まれており、中田のアシストから宮下、高橋のプレーメークから高田が決める攻めも簡単に決まったのだが、こういう攻めのバリエーションをなかなか出せなかった。
終盤は両チームともに疲労の色が濃く、決め手のないまま14-14でオーバータイムへ。そのファーストプレー、ドイツのハンドオフからのアタックに一瞬出遅れてしまい、何とか寄せた宮下のプレッシャーでシュートを落とさせたが、オフェンスリバウンドを奪われ、そのままゴール下を決められ、さらにファウルもあってバスケット・カウントに。このフリースローを決められて14-16、日本は競り負けた。
前日にグループリーグ敗退が決まった男子に続き、女子もオーバータイムの末にベスト8で敗退。上位3チームに与えられるパリオリンピック出場権は手に入れられず、男女ともに2大会連続のオリンピックを逃すこととなった。
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— FIBA3x3 (@FIBA3x3) May 19, 2024