兄の期待を上回るNBAオールスター初選出で先発出場へ
ファミリーネームの『アデトクンボ』の綴りが難しいという理由からオールスターのファン投票で票の取りこぼしがあると主張したバックスのヤニス・アデトクンボ。
その心配は杞憂に終わり、2月19日にニューオーリンズのスムージー・キング・センターで行なわれるオールスターには、東カンファレンスの先発選手として球宴に初出場する。
アデトクンボには、同じくプロバスケットボール選手として欧州で活躍する2歳上の兄がいる。兄のタナシス・アデトクンボは2014年のNBAドラフト全体51位でニックスから指名され、2014-15シーズンは傘下のDリーグでプレーしたが、2016年からはスペインリーグ『リーガACB』のアンドラでプレー。国王杯を控えているタナシスが弟に宛てたビデオメッセージが『Eurohoops.net』に掲載されている。
メッセージ冒頭部分で「やぁ、ヤニス。俺はこっちで国王杯の準備をしているところだけれど、お前はNBAオールスターゲームの準備中だよな。俺もお前も、アデトクンボの血を歴史に刻むため、成すべきことをやろうと2人で話し合った。本当ならお前の晴れ姿を見たかった。本当に誇りに思うよ」とタナシスは語る。
「去年の夏、(ギリシャとの)代表戦の後だったかな、『今のようなプレーを続けられれば、3年以内にはNBAのオールスターに選出されるかもしれない』と話したのを覚えているよ。もちろん、その時は選ばれたとしてもリザーブでの選出だと思っていた。それから数カ月でお前はオールスターの先発に選ばれた。これはファンの皆から愛されているからだけではなくて、お前の努力の賜物だよ」
「お前は毎試合で100%の力を尽くしている。試合だけではなくて、近しい人たち、家族のためにも100%の力を尽くしてくれている。心からお前を誇りに思っているよ。愛している。オールスターでもかましてやれ!」
兄の期待を大きく上回る投票結果。これには、おそらくアデトクンボ本人も驚いただろう。しかし、今シーズン前半戦を終え、23.4得点8.6リバウンド5.5アシスト。さらには1.8スティールに2.0ブロックと、主要スタッツ5部門でチーム最多の数字を残しているのだから、当然の結果。離れて暮らす兄からのエールを力に変え、晴れの舞台で躍動するアデトクンボへの期待は高まるばかりだ。