クレイ・トンプソン

ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンが29得点

ウォリアーズは敵地でロケッツに133-110の完勝を収めた。この試合はプレーイン・トーナメント進出の最終枠となる10位を争う直接対決。ウォリアーズはこれで11位ロケッツとのゲーム差を4へと広げ、タイブレークもあるため実質5ゲーム差。残り6試合でこれを覆すのは現実的でなく、ロケッツの猛烈な追い上げをこの勝利で振り切ったと言っていいだろう。

ファンにとってこの勝利と同じかそれ以上にうれしかったのは、『スプラッシュ・ブラザーズ』が全盛期の輝きを取り戻したことだ。クレイ・トンプソンは3ポイントシュート11本中7本を決めて29得点、ステフィン・カリーも同じく29得点を挙げた。

カリーはコンスタントに得点を奪っているが、今シーズンのクレイはパフォーマンスが安定せず、先発を外れることもあった。それでもこの試合では5本の3ポイントシュートを前半に決めて有利な状況を作り出した。彼らの本来の力を考えれば29得点は物足りないと思うかもしれないが、危なげない展開でカリーは31分、クレイは29分とプレータイムが少なかった。2人とも第4クォーター残り4分でベンチに引き上げている。今日の『スプラッシュ・ブラザーズ』が緊張感みなぎるクラッチタイムにコートに立っていれば、さらに大きなインパクトを残しただろうが、それは今後の試合、あるいはポストシーズンに持ち越しとなった。

「自分たちが目指すもののために、ここからの試合がいかに重要かは分かっていた。だから必要な危機感を持ってプレーできたと思う」とクレイは言う。今の彼は自信を取り戻し、先発に復帰してからは迷いなくシュートを打てている。

そしてステフは「ほとんどのチームに対してオフェンスが通用するのは分かっている。僕らが強みにすべきはディフェンスなんだ。僕らが最高のパフォーマンスを見せる時は、必ずディフェンスでリーグのトップ5とかトップ10に入る」と語る。特に前半のディフェンスは素晴らしいチームの機能性、連動性があり、それがロケッツに付け入る隙を与えない盤石の試合展開へと繋がった。

ジョナサン・クミンガが膝のケガで欠場しているが、ドレイモンド・グリーンとトレイス・ジャクソン・デイビスのフロントコートが堅固なディフェンスを構築している。ルーキーのジャクソン・デイビスはオフェンスでもフィールドゴール10本中8本成功と効率良くシュートを決め、キャリアハイとなる20得点を稼ぎ出した。

「僕はディフェンスからリズムをつかむタイプで、ゴール下だけじゃなくペリメーターで上手く守れるようになることを今シーズンは心掛けてきた」とジャクソン・デイビスは言う。「ディフェンスで自信が持てればオフェンスでも積極的になれる。それにこのチームにはフロアのあちこちに最高のシューターがいるから、常にキックアウトも意識している。そんなに難しくはないよ。ただ自分の役割を果たすことだけに集中していればいいんだ」

クミンガは5試合連続での欠場となったが、間もなく復帰できるとのこと。この試合で足首を捻挫したアンドリュー・ウィギンズも軽傷で済んだ。スティーブ・カーはこのところずっと、目先の勝利にこだわりすぎず、プレーイン・トーナメントとその先のプレーオフをベストな状態で迎えることを優先した選手起用をしてきた。カリーを過度に酷使せずにクレイの復調を待ち、クミンガも無理せず休ませる間にジャクソン・デイビスが結果を出す。長いレギュラーシーズンの最終盤になって、ウォリアーズにはようやく良い流れができてきた。