ドマンタス・サボニス

「48分間を通じて集中力を保つ力が根付いてきた」

現地3月13日、キングスはレイカーズに120-107の完勝を収めた。レブロン・ジェームズにアンソニー・デイビス、ディアンジェロ・ラッセルが揃って不調。中2日とスケジュールに余裕があったが、バック・トゥ・バックの2試合目を戦うキングスの方が攻守ともにプレー強度も運動量も上回った。

キングスでは足首の捻挫で前の試合を欠場したキーガン・マレーが復帰し、レブロンをマークして抑え込む。ラッセルには2ウェイ契約から正式契約への切り替えを勝ち取ったキーオン・エリスが粘り強いディフェンスで対応。前日のバックス戦ではデイミアン・リラードを抑えたエリスは、この試合でラッセルに自由を与えなかった。ケビン・ハーターに代わって彼が先発することの効果を指揮官マイク・ブラウンは「相手のキーマンを抑え込む役割から(ディアロン)フォックスが解放される」と説明する。エリスが先発起用された6試合でキングスは全勝している。

そしてデイビスに対してはドマンタス・サボニスが攻守ともに圧倒した。デイビスは22得点10リバウンド3アシストとスタッツこそ残したが、試合に与えるインパクトという意味では17得点19リバウンド10アシストのサボニスが圧倒的に上だった。サボニスは試合終盤にフォックスの3ポイントシュートをお膳立てして10アシスト目を記録。今シーズン23回のトリプル・ダブルはニコラ・ヨキッチ(21回)やルカ・ドンチッチ(17回)を上回るリーグトップの数字だ。

サボニスはデイビスとの対戦の相性が非常によく、直接対決となった試合はこれで10連勝。今年のオールスターでサボニスが選ばれず、デイビスが選ばれたことにキングスのファンは憤慨しており、それだけに今回の2人のマッチアップでサボニスが良いプレーを見せるたびに観客席は沸いた。

試合後の会見でもその話題になったが、キングスの選手たちはデイビスをリスペクトし、ハリソン・バーンズは「ただ2人の偉大なプレーヤーが戦っているに過ぎない。それに勝っているドマス(サボニス)が味方なのはありがたいが、同じポジションのベストプレーヤーがマッチアップする場合は、2人ともいつも以上の力を出すものだ」と言い、フォックスは「デイビスとの対戦成績はたまたまだと思う。ドマスはデイビスが相手だとすごいんじゃなく、どの試合でもすごい。僕らの試合を見ている人はそれが分かっているし、別に驚いてはいない」と語った。

キングスはこれでレイカーズとのレギュラーシーズンの4度の対戦ですべて勝利するスウィープを達成。直近の9試合で8勝と抜群に相性が良い。キングスは走ってペースを上げ、3ポイントシュートで勝負するチームで、印象としては『攻めのチーム』だ。それでもこの試合では、『攻めのチーム』であるレイカーズのカギとなる選手を手堅いディフェンスで抑え込み、そこからのトランジションが猛威を振るった。フォックスは言う。「レイカーズは強いチームだけど、トランジションディフェンスに長けているわけじゃない」

キングスはこれで西カンファレンス6位へと浮上。西カンファレンスの中位は大混戦で、まだまだ予断を許さない。しかし、プレーイン・トーナメントに回ることになったとしても、レイカーズとの対戦には自信を持って臨めそうだ。

バーンズは言う。「48分間を通じて集中力を保つ力がチームに根付いてきたように思う。この2試合は相手に多くのフリースローが与えられて、僕らにとって理想的な展開とは言えなかったけど、粘り強く戦い続けて勝利を手にすることができた。そういう戦い方ができるようになってきたよ」