「そんなに甘くないというのが正直な今の気持ち」
バスケットボール日本代表は、ワールドカップ予選のラスト2試合であるイラン戦とカタール戦に向け、15日深夜に日本を出発。トルコのイスタンブールで最終調整を行っている。
日本が誇るオールラウンダーの田中大貴は、6連勝と波に乗っておりコンディションも整えられたと前置きしながらも、重圧と向き合っていることを明かす。「もちろんワクワクする気持ちはありますし、それが大きいと言いたいんですが、正直プレッシャーはあります。日本のバスケットボールが前に進むための大きな試合だと分かっているつもりですし、ましてやアウェーでの戦いなので、そんなに甘くないというのが正直な今の気持ちです」
敵地で相手の勢いに飲み込まれないことがまずは肝心だと田中は言う。ここ3試合はホームで勝利。昨年9月にイランを相手に70-56で完勝したのも大田区総合体育館でのホームゲームだった。ホームで観客の声援を背に戦う心強さを実感した後だからこそ、アウェーでの戦いに田中は気を引き締める。
「Bリーグが始まって、自分は開幕戦を戦わせてもらったりとかして、周りから声をかけてもらうことも増えましたし、認知は少しずつ上がってきていると感じます。点数が入った時、勝負どころだったりとか、会場の皆さんがすごく大きな声援を送ってくださる時は、自分も高まるものがあります」
「昨シーズンに自分たちが優勝した時に、会場全体を真っ赤に染めてくださったアルバルクのファンの皆さんに感謝しなければいけないという気持ちがありました。自分は優勝の公約でファンイベントを開いたんですけど、その時もたくさんの方々が来てくださって本当にありがたかったし、あらためて本当に大事にしないといけない存在だと思いました」
「良い報告ができるように、一生懸命頑張ります」
4連敗スタートからの6連勝。『崖っぷち』から脅威の巻き返しで、ラスト2試合に勝てば自力でワールドカップ出場が決められるところまで来た。「始まった当初は連敗が続いて苦しかったんですけど、ニック(ファジーカス)が入ったり、アメリカにいる2人(渡邊雄太と八村塁)が帰ってきたりと良い風が吹いて、勝ち星を一つ得てからはトントントンと良い調子で来ています。ただ、まだワールドカップが決まったわけじゃないし、次の2試合がどれだけ大変かは分かっていますし、みんなそんなに甘くないかな、という気持ちでいると思います」
「前の2試合がそうだったんですけど、自分たちがホームで戦うことができて、ファンの皆さんの後押しがすごく力になりました。次は逆にアウェーで2試合を戦わないといけないので、本当に自分たち選手とスタッフしか味方がいないという中でやらなきゃいけない。相当タフな試合になると思いますけど、40分間集中力を切らさずに日本らしくディフェンスを頑張って、粘って粘って戦えばチャンスはあると思うので、アウェーの地ですけどなんとかワールドカップ出場を自力で決めたいと思います」
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中東での2試合にファンが足を運ぶのはそう簡単ではない。特にイラン戦はビザの関係もあり、気軽に観戦にはいけない地だ。それでもファンの応援は力になると、田中はこう呼び掛ける。「次の2戦はアウェーでの試合になりますけど、テレビでの放送もあると聞いているので、自分たち日本代表に力を送っていただけたらと思います。良い報告ができるように、一生懸命頑張ります」
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