八村塁

フィールドゴール17本中13本成功で攻撃を牽引

レイカーズはこの1か月で安定した戦いができるようになり、2月に入ってから10勝4敗と結果が出ている。ダービン・ハムはディフェンスを重視するヘッドコーチで、シーズン序盤にまずまずのスタートを切ったにもかかわらずディアンジェロ・ラッセルとオースティン・リーブスを並べるのを嫌がり、そこから試行錯誤が続いた。それでもようやくこの2人を先発に据え、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの両エースに八村塁を加えたスターターが定着したことでチームは上昇気流に乗った。

指揮官ハムの想定通りなのかその逆なのかは分からないが、2月以降のオフェンスレーティングはリーグ2位の119.5と、レイカーズはディフェンスからオフェンスのチームへと変化している。かと言ってディフェンスが悪いわけではなく、試合の最後を締めるクロージングラインナップではサイズがあって運動能力の高い選手を並べてディフェンスの脆さを見せないしたたかさもある。現地3月4日のサンダー戦は、そのバスケの良いところばかりが発揮された試合となり、レブロンが個人で無理な打開を図ることなくプレーメークに徹し、バランスの良い攻めで西地区首位のサンダーに快勝した。

中1日を置いて迎えたキングスとのホームゲーム、レイカーズは試合開始から自信を持ってアグレッシブに攻め、第1クォーターからアンソニー・デイビスが16得点、八村とリーブスがそれぞれ12得点と、サンダー戦と同じようにバランスの良い攻めを展開。試合開始から約10分で37-18と大差を付けた。しかし、キングスが早々にスタメンをベンチに下げたのに合わせ、レイカーズも早めに選手を交代してセカンドユニット同士の争いになると形勢逆転、第1クォーターをキングスは10-0のランで締め、ディアロン・フォックスとマリーク・モンクの長距離砲を中心に猛烈な追い上げを見せる。第2クォーター中盤でレイカーズは逆転を許し、57-72と突き放されて前半を終えた。

試合序盤はアンソニー・デイビスがドマンタス・サボニスに対しゴール下で優位に立ったが、キングスはダブルチーム、時にはトリプルチームを送り込む。これに対しデイビスはファウルがかさみ、リズムが狂い始めた。ここからサボニスのバスケIQと俊敏な動きがデイビスを上回るようになった。

八村はチームに勢いのあった立ち上がりにはチームで最も多くのフィールドゴールを放ち、オフェンスを引っ張った。第3クォーターはデイビスが苦戦する中でレブロンが15得点、八村は7得点と2人でオフェンスを牽引している。八村がミスマッチになればラッセルもレブロンもその瞬間を見逃さずにパスを出す。この連携の良さにより八村はフィールドゴール17本中13本成功、3ポイントシュートは5本中3本成功と極めて効率の良いプレーを披露。33分の出場で29得点を記録した。

第2クォーターに失速して20-44と圧倒されたレイカーズはハーフタイムを挟んで立ち直るものの、キングスの攻めを止められない。後半は互角の攻防を繰り広げたが、常に2桁のビハインドを背負ったまま試合は推移。第4クォーター残り5分、レブロンからのパスを左コーナーで受けた八村は、そのままリムアタックから強烈なスラムダンクを叩き込む。これで12点差としたが、それでも流れは変わらず、レイカーズは残り4分でレブロンをベンチに下げるに至った。八村は試合終盤にも連続得点を挙げるなど気を吐いたが、チームは120-130で敗れている。