グアム戦で奮闘も、より重要度の増した中国戦ではほぼ出番なし
バスケットボール男子日本代表はFIBAアジアカップ2025予選のWindow1でグアム、中国に連勝と好スタートを切った。今回のWindow1でもチームの要となったのはジョシュ・ホーキンソン、馬場雄大、河村勇輝、比江島慎、富樫勇樹などワールドカップ2023の主力選手たちだ。当然のことではあるが、ワールドカップ出場選手たちに対するトム・ホーバスヘッドコーチの信頼度の高さが強調される選手起用となった。
琉球ゴールデンキングスの今村佳太は、このWindowに出場した選手の中でも代表経験が少ないメンバーだった。ホーバス体制においては、ワールドカップ2023予選である2022年3月1日のオーストラリア戦、2日のチャイニーズ・タイペイ戦に出場したが、低調な内容に終わった。その後は代表に呼ばれることなく、大きな目標だった沖縄開催の本大会出場を逃した。
消化不良に終わった前回のリベンジを果たすべく約2年ぶりの代表戦となった22日のグアム戦で、今村は16分2秒の出場で8得点2リバウンドと少なからずインパクトを残した。しかし、実力伯仲でより重要度が増した25日の中国戦ではわずか1分56秒のプレータイムとほぼ出番なしに。目標とするパリ五輪へのメンバー入りへ、自身の序列がまだまだ低いことを痛感する結果となった。
今村は中国戦のプレータイムについて「今日、勝ちたい試合でもあったと思います。その中でプレータイムをもらえないことはある程度、自分の中で分かっていたことではありました」と語る。
このように現状の実績や信頼度では致し方ないと冷静さを見せるが、それと同時に限られた時間で爪痕を残せなかったことを悔いている。「出た時になかなかインパクトを残せなかったのはすごく悔しい気持ちがあります。ただ、まだまだ自分にはできることがあると思うので、このあたりは切り替えてやっていきたいです」
2022年の代表活動時、今村はシューター的な使われ方をされていたが、今回はハンドラーを務めた。自身の持ち味を発揮できる役割を与えられたことは確かな収穫だった。「今回に関して、僕としては前進でき、すごくポジティブに捉えられている部分は多いです。自分のできることをトムさんに認められた上で、ここまで来られました。このチームでの役割を少しずつ理解できてきたと思います」
こう振り返る今村は、ワールドカップ出場メンバーたちとの競争を制し、パリ五輪のロスター12名に残るために必要なことを次のように語る。「プレーの精度を高め、信頼をどれだけ勝ち取れるかがすごく大事になってきます。そして、僕の場合はやっぱり短い時間で、どれだけ自分の強みを出せるかが鍵になってきます」
パリ五輪代表へ向け、現在の今村が置かれている状況は11番目、12番目を争うギリギリの位置だ。しかし今回、ホーバスヘッドコーチの評価を高めたことは間違いない。今村にとって実り多き久しぶりのフル代表での活動となった。