ベネディクト・マサリン

2年連続の優勝「楽しむことだけを考えている」

インディアナポリスでNBAオールスターウィークエンドが始まった。現地2月16日に行われたライジングスターでは、ベネディクト・マサリン、ジェレミー・ソーハン、チェット・ホルムグレン、ウォーカー・ケスラー、ジェイレン・ウィリアムズにデレック・ライブリー二世とパワフルなメンバーが揃ったチーム・ジェイレン・ローズが優勝。マサリンがセミファイナルで18得点、ファイナルで4得点の活躍を見せ、MVPに輝いた。

「この街にオールスターが来て良かった」。タイリース・ハリバートンよりも一足早く、ペイサーズのファンにそう思わせたのはマサリンだった。公式戦とは違い、勝ち負けよりも観客を沸かせ、自分たちも楽しむのが目的となるこの試合で、マサリンは地元ファンの歓声を引き出し、それでリズムを高めていった。

「最高の週末になるのは間違いない。家族も友達も見に来るんだ。楽しむことだけを考えている」と、試合を前にマサリンは語っていた。「才能ある選手が揃うチームになった。みんなライジングスターで自分の力を見せようと張り切っているよ」

実際、ライジングスターではマサリンだけでなく、チーム・ジェイレンは誰もがアグレッシブにプレーした。いつもは別々のチームでプレーする選手の寄せ集めではあるが、チームプレーを意識しつつも遠慮して自分の良さを殺すことなく、コートに立った全員がインパクトを残した。中でもマサリンの活躍は素晴らしかった。

マサリンは去年もライジングスターに出場して優勝しているが、今回はさらに格別の喜びを味わっている。コートサイドではハリバートンやマイルズ・ターナー、オビ・トッピンといったペイサーズのチームメートが並び、マサリンのために必死になって応援していた。「タイリースが今回のオールスターでスターターを務めることはチームにとってもすごく意味のあることだけど、僕まで応援してくれたのは本当にうれしい」とマサリンは言う。

もちろん、ペイサーズのファンもマサリンに大声援を送っており、『MVPコール』まで飛び出した。「こんな若手のうちに『MVPコール』を経験できるなんて光栄だね」と話すマサリンは少し気恥ずかしそうで、それでも間違いなく喜んでいた。「素晴らしい経験をさせてもらったよ」

一方で、ライジングスターで最も注目を集めたビクター・ウェンバニャマは、最初の試合でGリーグの選手を集めたチーム・デトレフに敗れてファイナルに進めなかった。ウェンバニャマは11得点7リバウンド、さらにいつもはアリウープを決める側だが、ハイメ・ハケスJr.にアリウープをアシストするロブパスを出すなど観客を魅了した。ハングリー精神を前面に押し出した相手に敗れたことを彼は残念がる。「どんな試合でも負けるのは嫌だし、悔しいよ。ただ、ここに参加できたのはうれしい」とウェンバニャマは言う。彼は明日のスキルズチャレンジにも参加する。そこでも異次元のパフォーマンスに期待したい。