待望の姉妹共演「常にチームの士気を高める部分など、本当に見習うところが多いです」
バスケットボール女子日本代表はオリンピック世界最終予選の初戦、スペイン戦を86-75で快勝した。
今大会の12名の代表メンバーにおいて、馬瓜ステファニーはスペインのモビスター・エストゥディアンテスに所属と、唯一の海外組だ。1月中もリーグ戦が行われていたこともあってチーム合流が同月下旬と遅れていた。短い期間でチームにフィットするのは簡単なことではないが、持ち前の非凡なバスケットボールIQと多彩なスキルで、この難題をしっかりとクリアした。
主に4番ポジションでプレーし18分19秒の出場で9得点2リバウンド1スティール1ブロックを記録。鋭い読みとリーチの長さを生かした巧みなディフェンスで簡単にボールを持たせないなど、スペインのインサイドアタックを防ぐのに大きな貢献を果たした。
ステファニーはチーム全員がゲームプランを遂行できたと試合を振り返る。「やっぱり、前半からしっかりと全員が走って、シュートを迷わず打ち切れたのは、すごく大きかったかなと思います。自分たちが後手にならずにやりたいことをやる、やり切る部分について、全員が共通認識を持ってできていました。それが勝因かなと思います」
ステファニー個人のハイライトといえるプレーは、第3クォーター終了間際の3ポイントシュートだ。後半に入っても前半と同じく日本の流れは続き2桁リードをキープしていたが、これまで抑えていた3ポイントシュートを連続で決められ、点差を1桁に縮められる嫌な展開となる。ここでさらに詰められてしまうとスペインに流れが傾く展開もあり得たが、ステファニーがすぐに3ポイントシュートを入れ返して2桁リードを保ったまま第4クォーターに突入できたのは、試合の明暗を分ける大きなポイントだった。
この場面について、ステファニーは負けん気の強さがもたらした一撃だったと語る。「あの時間帯は自分が結構やられていました。やられっぱなしではチームのためにもならないですし、自分の成長にも繋がりません。自分がやられたところはしっかりやり返さないといけない。1本やっておかなければと思っていました」
また「正直、自分はまだまだ貢献し切れていないです」と反省しつつも、「本当に周りがずっと声をかけてくれたり、すごく助けてくれます。そのおかげで思い切ってやれているのかなと思います」と、仲間のサポートによってアグレッシブに仕掛けることができたと続けた。
そして、20得点と大暴れだった姉エブリンの活躍に目を細めた。「エブリンがあれだけ調子が良いとチーム全体の雰囲気も上がっていきます。 エブリンの常にチームの士気を高める部分など、本当に見習うところが多いです」
本日のハンガリー戦に勝てば、日本のパリ五輪出場が決まる。直前合流でチームと一緒に活動する時間が足りていないステファニーだからこそ、スペイン戦をこなしたことで周囲との連携向上が大いに期待できる。姉妹揃っての再びの活躍で、日本に歓喜をもたらしてもらいたい。