[CLOSE UP]金丸晃輔(シーホース三河)日本屈指のスコアラーは新たなチャレンジでプレーの幅を広げる

2017/02/01
日本代表
297

文=丸山素行 写真=小永吉陽子

三河と全く違うスタイルのバスケに「楽しかった」と笑顔

2月の国際強化試合、イラン戦に向けた15名の代表メンバーが発表された。現在Bリーグで西地区首位のシーホース三河を牽引する金丸晃輔も順当にメンバー入りを果たした。

金丸は発表前に行われた第2回重点強化合宿に参加した感想を「普段チームでやらないことをやっていたのですごい新鮮で楽しかったです」と率直に語った。

暫定ヘッドコーチを務めるルカ・パヴィチェヴィッチ特有の細部にわたる指示に最初は戸惑うも「やりやすかった」と振り返る。「スペースの取り方やドライブした後の戻りの動きなど細かいことを指摘されました。でも実際やってみてボールが回るシステムだったので、僕にとってはやりやすいオフェンスです」

2006年のU-18日本代表に選ばれて以来、日本代表の常連となっている金丸だが、昨シーズンのNBLファイナルでケガをした影響で、昨年夏の一連の代表スケジュールには参加しておらず、久々の代表合宿となった。

「コンディションのことを言えばあまり良くない中での合宿でした。それでも考えさせられることが多く、自分のためにもなりました。チームに持って帰ってやってみようという楽しさがありました」

FIBAのスケジュールに合わせる形で、シーズン中に代表の合宿や試合が組まれるようになり、選手はタフなスケジュールが強いられるとともに体調管理が求められる。金丸は言う。「シーズン中に試合が入ってくるのは難しいですが、やらなければいけないことです。どうやって試合に向けてコンディションを整えていくか。すべてはコンディション次第です」

身体だけでなくメンタル面でどうリフレッシュするかも大事だ。身体については「シーズン中にもやっているので、そこに何か加えれば大丈夫」と語る金丸にとって、メンタルのケアはよりデリケートな問題なようだ。「代表とチームのバスケットは全然違うので、そこでリフレッシュできれば。違うバスケットをやれば気分転換になるので、練習でリフレッシュするしかないですね」

日本代表の経験からプレーの幅を広げ、さらなる高みを目指す

練習でリフレッシュするという発想には驚いたが、これは三河と代表のバスケが大きく異なるからこそ、そこに楽しさを見いだせている。この『ラッキーな収穫』について金丸は笑顔でこう語った。

「チームではほとんどキャッチ&シュートやポストアップのスタイルなので、ピックをやらないんですよ。でも今回もそうですが、代表の練習だとインサイド以外の全部のポジションを回るので普段やらないことができて新鮮でした」

もちろん、スタイルの異なるバスケを楽しむだけで終わりではない。代表での経験からチームに持ち帰ることのできる部分を探す点は金丸の成長意欲の表れだ。「スクリーンを使ってキャッチ&シュートだけだと相手も守りやすいです。なのでピックの部分だけでも持ち帰ることができたら、もう少しチームでいろんなことできるかなと思っていました。前々からやりたいと思っていたんですが、チームだと比江島(慎)や(橋本)竜馬さんがやるので僕もちょっと加わってみたいなという感じです」

今回の代表合宿はややご無沙汰となったが、金丸は初選出以来コンスタントに代表活動に参加している。第一線で活躍し続ける金丸に今後の伸びしろについて話題を向けると、プレーの幅を広げたいと話す。

「チームではキャッチ&シュートのイメージが強いと思いますが、もう少しいろいろなことがしたいのが本音です。スクリーンからズレを作ってドリブルで切り込んでいくプレーなどをやりたいんです。そこをやればもう少し高いところに行けるのではないかと思います」

平均17.0得点でBリーグの得点ランキングにおける日本人トップの金丸は、「代表でもシューターとしての役割を果たし、得点でチームを引っ張っていきたい」と力強く決意を述べた。

今回のイラン戦は親善試合だが、2019年のワールドカップ、そして2020年のオリンピックへと続く大事な一歩となる。オリンピックについて話を聞くと正直に「想像できない」と話した。「先の話なので現時点では、まだ目の前の大会などに目を向けてやるしかないです。2020年までは想像できないですね」

日本屈指のスコアラーは終始笑顔を交えて合宿を振り返った。新しいことを吸収し、チームとしても個人としても成長への意欲を見せる金丸がより高みへ登れば、それがそのまま日本の攻撃力の底上げとなる。まずは2月10日(金)と11日(土)に行われるイラン戦で新たな『金丸スタイル』の片鱗を見せてもらいたい。