ケビン・ラブ

写真=Getty Images

欠場中もチームの若手をサポート

キャバリアーズのケビン・ラブが、2月8日のウィザーズ戦で、左足の手術から50試合ぶりに復帰を果たした。

復帰初戦は6分29秒のプレーにとどまり、4得点1リバウンド1アシストで終了。予定通りのプレータイムをこなしたラブは、早々にロッカーに戻って治療を受け、ウェイトトレーニングと有酸素運動をこなした。

ラブは試合後、『cleveland.com』に「孤独なリハビリだった。テニス選手のようだったよ。自分とコーチ、トレーナーとの練習が続いて、一人でプレーしていたんだ」と、3カ月半に及んだリハビリを振り返った。

今シーズンのキャブズは、昨年のオフに4年1億2000万ドル(約134億円)の延長契約を締結した新リーダーのラブを中心に回る予定だった。レブロン・ジェームズという絶対的な存在を失ったとはいえ、2016年の優勝メンバーであるラブ、JR・スミス、トリスタン・トンプソンに加えて、ベテランのカイル・コーバー、注目の新人コリン・セクストンらが揃ったチームならば、東カンファレンスの8位争いに絡めるだけの力はあると見られていた。しかし、ラブが開幕から4試合を終えて離脱すると、球団は開幕6連敗後に前へッドコーチのタロン・ルー解任を決断。早々と若手に経験を積ませるシーズンにすることを決め、コーバー、ジョージ・ヒルをトレードした。

キャブズは、56試合を終えて11勝45敗でカンファレンス14位。再建を進める上で、ラブもトレード要員になるという噂も流れたが、球団はトレードデッドラインまでに動かなかった。おそらく、ラブが復帰後にどういう影響をチームに与えられるかを見た上で判断を下すつもりなのだろう。『cleveland.com』によれば、ラブはチームを離れていた間、試合映像を分析して意見を伝え、セクストンにも良いシュートと悪いシュートの違いを説いたという。指揮官のラリー・ドリューも、ラブがセクストンに良い影響を与えられると期待している。

「コリンは、ケビン・ラブのような選手とプレーした経験がない。ケビンは、チームメートのプレーを楽にしてくれる。3ポイントシュートを打てて、ポストプレーにも優れ、パサーとしても優秀だからね。コリンにとっても新たな経験になる。ケビンにどういう形で、どのタイミングで、どのポジションでボールを渡せば良いのかを経験することになる。彼らのプレーが楽しみだ」

セクストンも大先輩のラブの復帰を喜び、コート上で「おかえり」と伝えたという。「彼にボールを渡した後で、『おかえり』と伝えたんだ。うれしかったね。今はまだ出場時間が制限されているのは知っている。ただ、彼にリズムを取り戻してもらいたかったんだ。そうすれば、制限がなくなった時に良いプレーができる」

ラブは9日のペイサーズ戦を欠場したが、オールスターブレーク後からは徐々にプレータイムも長くなるだろう。「3カ月は着回せるだけのスーツを持っているけれど、毎試合をスーツ姿で見るのはうんざり」と、コメントしたラブにとって、コート外でサポートする時期は終わった。これからは、ジャージー姿で若手を束ね、チームを引っ張る番だ。