林咲希

「OQTではファンのみなさんの想像を超えるようなプレーを見せたい」

2月8日より始まる『FIBA女子オリンピック最終予選(OQT)』に向けて、女子日本代表が再び走り出した。アジアカップに引き続きキャプテンを務める林咲希(富士通)は1月11日、第5次強化合宿(1月10日開始)に際して実施されたメディアデーで取材に応じた。

今回の合宿には、A代表初招集の絈野夏海(岐阜女子高)と木村亜美(デンソー)、恩塚体制初招集の吉田亜沙美(アイシン)と馬瓜エブリン(デンソー)というフレッシュなメンバーが参加している。

林は合宿2日目のチームの雰囲気について「(経験を持っている選手が新しく入ってきた選手にプレーなどを教え)以前よりコミュニケーションが増えて、いい雰囲気でやれていると思います」と説明。若手2人については「まずは自分の持ち味を出してもらうことが大事なので、あまり自分を制限しないようにプレーしてほしい」、ベテラン2人については「今までの経験があるのでどんどん(知見を)出してくれているし、よくしゃべってくれる。すごくありがたい」と話した。

恩塚HCはOQTに向けたチームテーマとして『走り切るシューター軍団』を標榜。恩塚ジャパンがかねてより追い求めてきた、アジリティやシュート力といった要素をこれまで以上に突き詰めた、明確なフレーズが呈された。林は「やりやすいです」とコメントし、以下のように続けた。

「あとは、新しい選手たちをどれだけフィットさせるか。選手選考もからむので難しいところもありますが、それでも大事なのはチーム力。自分が先頭を切って、『ミスは絶対になくさなければいけない』と伝えなければいけませんし、疲れたときにも雰囲気が下がることのないよう、気をつけてやっていきたいと思います」

ちなみに合宿2日目の取材当日、チームは今回の合宿で初の攻防のラリーを実施した。これは恩塚ジャパンのスタイルを熟知した林が「けっこうきついです」と漏らすほど、これまで以上に強度の高いものだったようだ。

「動きのスピードだけでなく頭のスピードも大事だなと思いました。ただ速く動くだけでなく、『ここが空いてるな』というようなことを5人全員…ベンチメンバーまで全員が同じように理解するように練習を積んでいかなければいけないし、甘い練習ではそれは果たせないと思います」

FIBAランク9位の女子日本代表は、OQTでハンガリー(同19位)、スペイン(同4位)、カナダ(同5位)と対戦し、上位3位に入ってパリ五輪の出場権獲得を目指す。どの対戦も決して簡単なものではないが、林はこれまで女子日本代表チームが培ってきた、実績とプライドを持って出場権を勝ち取ると誓う。

「もちろん『負ける』なんてことは全然考えませんが、だからといって『勝てるだろう』という甘い気持ちだって持っていられない。ファンのみなさんも含めまわりの目は『女子はオリンピックに出られて当たり前』となっていると思うので、そういった方々の想像をさらに超えるようなプレーを見せたいと思いますし、出場権をしっかり獲得して、本戦にむけてまたレベルアップしていきたい。絶対勝ちに行きたいです」