マルク・ガソル

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東の5強のうち3チームの本気度がうかがえるトレードに

2018-19シーズンのトレードデッドラインである2月7日までに、東カンファレンスの上位3チームが動きを見せた。

まず動いたのはセブンティシクサーズ。クリッパーズとのトレードを成立させ、ウィルソン・チャンドラー、マイク・マスカーラ、ランドリー・シャメット、ドラフト指名権と交換で、トバイアス・ハリス、ボバン・マリヤノビッチ、マイク・スコットを獲得した。これにより、ベン・シモンズ、ジョエル・エンビード、ジミー・バトラー、ハリスという強力ラインナップが完成。新戦力が噛み合えば、東カンファレンス優勝を狙えるだけの力を手にした。

次に手を打ったのは現在カンファレンス首位のバックスで、ピストンズ、ペリカンズとの3チーム間トレードにより、ニコラ・ミロティッチを獲得した。今シーズンのミロティッチは平均16.7得点、8.3リバウンドを記録している他、リーグ9位となる1試合平均2.7本の3ポイントシュート成功数をマーク。シュートレンジが広く、ヤニス・アデトクンボの周りにシューターを配置するシステムで成功を収めているバックスにフィットするのは確実だ。

そして、カンファレンス2位のラプターズも、ヨナス・バランチュナス、デロン・ライト、CJ・マイルズ、2024年のドラフト2巡目指名権と交換で、グリズリーズからマルク・ガソルを獲得する英断を下した。今シーズン開幕前に生え抜きのデマー・デローザンを放出してまでスパーズからカワイ・レナードとダニー・グリーンを獲得した彼らは、シクサーズ、バックスの動きに敏感に反応し、またしてもリスク覚悟で大きなリターンを得ようとしている。ガソルは34歳とベテランの域に達したが、今シーズンは平均15.7得点、8.6リバウンド、キャリアハイの4.7アシストを記録するなど、まだ力は衰えていない。ラプターズは別のトレードでグレッグ・モンローもネッツに放出したため、今後はバランチュナスの役割だったセカンドユニットにサージ・イバカを配置転換し、ガソルを先発に起用するプランを試すことが濃厚だ。

シーズン開幕前にはセルティックスが優勝候補と予想されたが、上記3チームは今シーズンのNBAファイナル進出に向け、本気の姿勢を打ち出した。レギュラーシーズン後半戦は、新戦力を加えた東の3チームのケミストリー、そして上位陣の争いに注目したい。