ルカ・ドンチッチを抑え込んで勝利を引き寄せる
ダリアス・ガーランドとエバン・モーブリーがケガで離脱したことに加え、ドノバン・ミッチェルも欠場と危機的な状況に陥ったキャバリアーズですが、3人が離脱してから3勝1敗と好成績を収めています。チームのトップスコアラー3人を欠いてオフェンスが苦しいものの、センターのジャレット・アレンのハードワークが攻守に渡りチームを救っています。
この4試合のアレンはフィールドゴール成功率64%と高確率に決めて18.5得点を奪うだけでなく、オフェンスリバウンド5.3とシュートミスを拾い、セカンドチャンスをもたらしています。スコアラー不在で無理なシュートが増える状況で、ゴール下の強さでミスをカバーするアレンにより、チームのセカンドチャンスの得点は4試合平均で20にもなりました。
加えてガーランドとミッチェルというハンドラー、インサイドのプレーメーカー役をするモーブリーが不在の中で、アシストも4.8とポストでの中継役としても機能しています。パワーやスピードなどの身体能力の高さが目立つアレンですが、コート全体を視野に入れて細かなフェイクを混じえたパスを出すなど、普段とは異なる仕事もこなしています。
現地12月27日のマーベリックス戦では、残り6分から15-0のランでキャブスが逆転する展開となりましたが、その原動力となったのはルカ・ドンチッチに対するアレンのディフェンスでした。得点が止まれば必然的にドンチッチが個人技を発動させますが、アレンはスイッチで引き出されても臆することなくドンチッチについていき、ファウルドローに細心の注意を払いながらもシュートもドライブも封じ込めました。
また、アウトサイドに引き出されてもリバウンドシチュエーションになれば即座に反転してリングに飛び込み、マブスにセカンドチャンスを与えません。高さを生かしたディフェンスはもちろん、スピードや細かい駆け引きにも対応できるアレンの強みが、試合終盤のドンチッチの勝負強さを上回ったことがキャブスの勝因となりました。
これでキャブスは18勝13敗で東カンファレンス6位に浮上しました。欠場者が続出する中で粘り強く勝ち切れただけでなく、多少のミスはアレンがカバーしてくれることで、ベンチメンバーでも十分に戦えることを示してくれました。主力のプレータイムが長いことでインテンシティが落ちてしまいがちなだけに、この機会に多くの選手が活躍する基盤を作っていきたいところです。