「フリースローラインにはパレードのように選手たちが立ち続けている」

現地12月25日のナゲッツvsウォリアーズの試合はナゲッツが120-114で競り勝ったが、勝敗を分けた大きな要因がフリースローだった。ナゲッツは32本中26本を成功させ、特にニコラ・ヨキッチは18本すべてのフリースローを決めて、フィールドゴール12本中4本成功に留まったが26得点をマークした。

NBA随一のビッグマンであるヨキッチだが、実はフリースローの試投数は昨シーズンも1試合平均6.0本と際立って多いわけではない。ちなみに昨シーズンの試投数でトップはヤニス・アデトクンボで平均12.3本、2位がジョエル・エンビードで11.7本と続いている。今シーズンも平均6.3本の中、この試合の18本はシーズン最多の試投数だった。

このような背景も影響したのか、ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチは試合後、次のように判定への憤りを表明している。

「審判については何の問題もないよ。リーグ全体を通して本当に素晴らしい審判たちだ。私が問題にしているのは、ディフェンスを試合から排除しようとするやり方。それが今のNBAで起きていることだ」

さらにカーは、今の判定の基準は、NBAの試合をつまらなくしていると続ける。「もし、私がファンなら、この試合の後半は見たくなかった。酷かったよ。ただ、審判はそのように教えられているから、ファウルを吹かないといけないんだ。この10年くらいで選手たちはどんどん賢くなっている。選手たちは今のファウルの基準を最大限に活用している。その結果、フリースローラインにはパレードのように選手たちが立ち続けている。見ていてうんざりだよ」

一方、ナゲッツのジャマール・マレーは、ヨキッチへの判定は妥当なものだったと主張する。「(ヨキッチは)素晴らしい仕事をした。彼は何度も叩かれたけど、ドワイト・ハワードと同じように大きな身体だから、すべてのファウルを吹いてもらうのが難しいのはわかる。ただ、少なくとも彼がシュートモーションに入った時、相手ができることは限られている。彼は多くのことができるし、僕たちは彼にパスを出し続ける。そして、彼はアグレッシブに続けないといけない。ファウルをもらうことを目指さないのが大切だ」

今回のカーの提言は、今回の試合に関するだけでなく、これまでのフラストレーションが積み重なったものだろう。実際、ウォリアーズのフリースロー試投数はリーグ8位の平均23.8本とリーグ上位でもある。ただ、一方でウォリアーズのような3ポイントシュートを主体とするスモールボール中心のオフェンスを遂行するチームにとっては、ファウルへの基準が厳しくなるのは優位に働く側面もある。

これからもカーが、同様の発言を続けていくのか。そして、カーの意見に同調する他チームのコーチ、選手たちが現れるのか興味深いところだ。