京都精華学園高校

初の全国大会出場となった京都精華学園高校男子はエースの藤内翔真(3年生)、187cmの大型ガード東郷然とソロモン・レイモンドの2年生コンビが軸となる。藤内と東郷は京都精華学園中学時代の2019年に山﨑翔一朗コーチと全中優勝を経験。ウインターカップ京都府予選は洛南を倒し、インターハイ準優勝の東山を追い詰めた。他の強豪校ではなくあえて「京都精華で全国へ」と内部進学を決断。今大会を6年間の集大成とする。

「京都精華学園高校男子で全国に行きたかった」

――藤内選手から自己紹介を。

藤内 京都精華学園中学出身で内部進学しました。シューティングガートを中心にポイントガード、スモールフォワードもやっています。得意なプレーはドライブからのレイアップ、ジャンプシュートです。好きな食べ物はオムライスです。

東郷 練習を結構サボりがちなんで、直してほしいですが、試合になったら点を取ってくれるし、大事な場面でも決めてくれるので頼りにしています。

レイモンド ジャンプシュートが上手くて良い選手。一番好きです。

――続いて東郷選手。

東郷 京都精華学園中学から内部進学しました。187cmで、日本では結構大型なポイントガードだと思います。ミスマッチだったら中でもプレーして、スリーポイントとパスが持ち味です。3ポイントで点を伸ばしながら、アシストで周りを生かしていくのが役割です。渋い食べ物が好きで、最近粕汁にハマっています。

レイモンド 身体が大きいけど、ハンドリングが上手い。然と僕はコートで良いコミュニケーションが取れていると思います。

藤内 2年生ですけどコートでは落ち着いていて、京都府予選決勝でも3ポイントを決めて勝負強いイメージがあります。オフコートではムードメーカーで、自分からボケたり、他の人をボケさせて突っ込むこともできます。

――レイモンド選手もお願いします。

レイモンド 来日前はナイジェリアでスモールフォワードやシューティングガードでした。日本ではセンターです。慣れるまでは難しかったです。得意なプレーはハイポストからのドライブです。

――イゾチェ・ウチェ選手(元京都精華女子、現シャンソン化粧品シャンソンVマジック)の親戚と聞きました。

レイモンド 仲良しです。毎日電話して連絡を取っています。姉のような存在で優しいです。ウチェは僕に日本に来てほしかったみたいです。僕も日本に来てよかったです。

藤内 ナイジェリアで2番、3番をやっていたこともあって、センターなんですけど手首が柔らかいです。ドリブルも上手いし、3ポイントやペリメーターなど、すべてのシュートがうまいのが特長です。来日直後は、日本語で話すのが難しかったんですけど、寮生の金井奏太キャプテンと西村康太郎たちが日本語を教えて、今はもう日本語でコミュニケーションを取れるようになりました。プレーもエゴを出さずに献身的です。

東郷 試合前にバナナを1房全部食べるんです、それも毎試合。雰囲気的に面白いです。最近3ポイントが決まるようになってきて、打ちたい打ちたいみたいな時があって、エアボールも多いので、もっと練習して、ウインターカップでいっぱい決めてほしいです。

レイモンド ディフェンスの状況を見てポップもダイブもどっちも行けます。ランメニューはめっちゃ嫌いです。でも辞めたいと思ったことはありません。

京都精華学園高校男子

「中高6年間の感謝の気持ちを持って大会に臨みたい」

――高校女子、中学男女が全国で活躍しているのをどのように見ていましたか。

藤内 中学では1年と2年で全国に出ました。3年時にコロナ禍で全中がありませんでした。他府県の強豪校ではなく、先生に恩返ししたかったので精華で全国に行きたいと思いました。3年間やってきて今年は新人戦も優勝できました。インターハイ京都府予選は決勝に行けました。6年間の集大成として、ウインターカップに高校男子で初めて出られるのはうれしいです。

東郷 他校だったら、関係性がイチからのスタートになりますが、僕らはジュニアウインターカップが終われば、すぐに高校生と一緒に練習ができます。より早く、長く準備ができる、中学3年時からそういうのもあって、全員の長所や短所を他校よりも分かっているのが強みやと思います。中高一貫という新しいスタイルです。

藤内 中学では奥田翔先生が監督だったんですけど、最初は奥田先生がめっちゃ怖かったです。ランメニューが多くて、正直、毎日練習するのも、学校に行くのも嫌な時期がありました。でも奥田先生は自分のことをよく分かってくれていて、プレーのアドバイスはスタッフの中で誰よりも的確に出してくれます。レイモンドが来たのは山本綱義校長先生のおかげです。レイモンドも、もう1人の留学生も来てなければ、全国に出られなかったかもしれません。

米長真夫さんは僕がミニバスの頃から知っていて、中学に入れたのは米長さんと僕のミニバスのコーチが繋がっていたからです。いろんな縁があって感謝しています。高校の土本光宏先生(アシスタントコーチ)にはメンタル面で支えてもらいました。今まで中高6年間の感謝の気持ちを持って大会に臨みたいです。

京都精華学園高校男子

東郷「コートの中では自分が1番だと思っています」

――京都府予選は激戦でした。

藤内 決勝リーグ2戦目で鳥羽に勝って全国が決まった時は、うれしかったです。目標は京都1位での出場でしたが、東山との最終戦は厳しいマークを受けて、何もできずに8得点に終わって、78-82で負けてしまいました。でも92-88で勝った洛南戦は後半に30点くらい取って、37得点を挙げました。全国でも点数が取れると自信がつきました。

――東郷選手、3年生への思い入れは。

東郷 金井キャプテンと、矢野陽向さん、藤内さんと合わせて3人が試合に出ているんですけど、一緒に5年間やってきた仲間です。一緒に悔しい思いもしてきました。僕たちがいっぱい試合に出させてもらえたのも、先輩の支えのおかげです。恩返ししたいです。

――負けたくない選手は。

レイモンド (東郷選手訳) ナイジェリアの知り合いが多く、日本航空のオルワペルミ・ジェラマイヤ選手や、初戦で当たる帝京長岡のジブリン・ハッサン・スレイマン選手は結構知っているので、意識しています。

東郷 コートの中では自分が1番だと思っているので、ライバルは自分です。未熟なところがコートで出てしまう時があり、自分自身が一番超えないといけない壁です。そこを超えられれば、同世代のすごい子たちより、僕の方ができるという自信はあります。自分に勝つことが目標です。

――山﨑コーチはどう接してくれていますか。

レイモンド 優しい。(以下東郷選手訳) 送り迎えも山﨑先生にしてもらいます。コミュニケーションも一番取っているし、誕生日プレゼントで水筒をもらいました。愛用しています。僕も先生が大好きなので、先生の誕生日前になるとプレゼントの費用を集めます。

――どういうところを応援してほしいですか。

東郷 若いチームなので元気の良いプレーや堅実なディフェンスからの速攻です。1回波に乗れば誰にも、どのチームにも止められない強さがあります。乗った時のみんなを見てほしいです。

――どんなプレーで活躍したいですか。

レイモンド 3ポイント。ディープスリーやハーフコートからのブザービーターがしたい。

東郷 レイモンドは優しすぎるところがあるんです。もう1人の留学生と1on1をする時に優しくて手加減しちゃう。優しさを出す時と出さない時をはっきりして、試合中は強くプレーしてほしいですね。

――全国の皆様にメッセージを。

藤内 チームスポーツなので、試合に出ているメンバーだけじゃなく、シュートを決めた時のベンチの盛り上がりも見てほしいです。大阪や京都、滋賀からも集まっていて、オモろくてちょけれる人が多いです。

レイモンド (東郷選手訳) バッシュも全国のために新調しました。ユニホームも新しく変わりました。新ユニホームと、僕のスリーを見てほしいです。ウインターカップではエアボールもなく、全部決められると思います。