ナズ・リード

「全員が流れの中で彼を見つけ出し、パスを送った」

ティンバーウルブズの連勝はペリカンズに敗れて6で止まったが、今のチームには連敗しない強さがある。マーベリックスのルカ・ドンチッチに39得点6リバウンド13アシストと大活躍を許しながらも、勝負の第4クォーターにはドンチッチを6得点に封じ、マブスに19点しか与えず、119-101の快勝を収めた。

エースのアンソニー・エドワーズは現地11月28日のサンダー戦でダンクを狙った際にファウルを受け、空中でバランスを崩して臀部を強打。その影響がまだ残っており、35分プレーしたものの得点は9と伸びなかった。ルディ・ゴベアとカール・アンソニー・タウンズのツインタワーを軸としたディフェンスは安定しているが、エドワーズの調子が上がらないのでは得点力が足りない。

しかも出だしでつまずき、試合開始から3分あまりで2-17と大きく出遅れた。この間、ドンチッチはマブスの得点すべてに絡む12得点2アシストと絶好調。「今日はウルブズの日ではない」と多くの人が思ったはずだ。

しかし、流れを変える選手はウルブズのベンチからやって来た。控えセンターのナズ・リードだ。マブスのディフェンスは、3ポイントシュートがあることは分かっていても、エドワーズが攻撃を組み立て始めるとそちらに意識を集中し、リードへのケアは薄かった。それをウルブズは逃さず、外でオープンになったリードに次々とパスを送り、リードは肩に力を入れることなくスムーズにポンポンとシュートを放ち、これを決めていった。

リードは高さのミスマッチがある場面でも無理に仕掛けずパスを回し、自分がオープンになるのを待った。ヘッドコーチのクリス・フィンチは「すべては流れの中から決めたもの。彼のためのプレーをコールすることはまずない。それでも全員が流れの中で彼を見つけ出し、パスを送った」と語る。2-17で始まった試合は第1クォーター終了時点で4点差となり、前半終了時点では1点差に。後半はウルブズがずっと優位に立った。

リードは31分のプレーで27得点を記録。3ポイントシュートはチームの誰よりも多い11本を放ち、マブスのチーム総数と同じ7本を決めた。「マブスは素晴らしいスタートを切ったけど、そこで僕らは落ち込むんじゃなく奮起した。後半は相手の喉元を踏み付けるような気迫で臨んだ。集中しないまま試合に入ってしまった失敗は絶対に繰り返したくない、全員がそういうマインドだった」

リードはこう続けた。「シュートが決まったのは、みんなが盛り上げてくれたおかげだ。僕がシュートを決めるたびに全員が大興奮で、そんな様子を見るのが僕は好きなんだ。それで波に乗れたよ。このチームの爆発力をもってすれば、どこが相手でも今日みたいな勝ち方ができる」