ステフィン・カリー

「勝率が5割を超えればチームの雰囲気は変わる」

ウォリアーズは10勝12敗、西カンファレンス11位と低空飛行を続けている。不完全燃焼のまま終えた昨シーズンは、開幕前のドレイモンド・グリーンとジョーダン・プールのトラブルがチームの結束を崩した結果で、プールの放出でカタを付けたはずだった。しかし、今もチームが勢いを取り戻せないとなると、原因は彼らのトラブルではなかったことになる。クレイ・トンプソンはケガを経て本来のパフォーマンスを取り戻せず、グリーンは『自信過剰の若手』がいなくなっても常にイライラしている。ステフィン・カリーはトップパフォーマンスを保っているが、チームを勝ちに導くことができていない。

サンダーとの試合では28ものターンオーバーを記録し、指揮官スティーブ・カーは「すべてのターンオーバーの映像を全員に見せる」と語った。それでも結局、映像を見せるのはやめたそうだ。インシーズン・トーナメントのファイナルが挟まれた関係で中3日とシーズン中には珍しく余裕があるこの時期、チームは現地12日のサンズ戦に向けて早めにフェニックス入りし、現地の大学のコートを借りてみっちりと練習を行った。「脅しただけで、本当に見せることはなかったよ」とカーは言う。座学よりもコート上で動く、というわけだ。

「今の成績を見て、このチームはダメだとかトレードしなければとか、そんなことは考えない。そういうものじゃないんだ。我々は勝てるチームであり、そのための要素は揃っている。ただ、改善すべき部分はあり、選手たちにそれを教えるのは我々コーチの仕事だ。そして選手たちがそれを実行する。それらすべてを上手くやれると私は信じているよ」

ターンオーバーの多さは、すぐにでも改善すべき課題だ。もともとハイペースで各選手が激しく動きながらパスを繋ぐウォリアーズにとってターンオーバーは必要悪だ。それでも派手なプレーは多くてもターンオーバーも多かったプールをトレードに出し、時計仕掛けの正確さを持つクリス・ポールを獲得したにもかかわらず、ターンオーバーはむしろ増えている。

その理由の一つは、ドリブルではなくパスを過度に選択し、それを相手に狙われていることだ。サンダーとの試合ではアンドリュー・ウィギンズが6つ、クレイ・トンプソンが4つを記録。ハンドラーではない2人のターンオーバーがかさんだのは、彼らがプレッシャーを掛けられた場面で1対1で打開せずパスを出すことを読まれており、若くてサイズがあり動けるサンダーの選手たちにそれを狙われたことにある。それをどう解決していくかをコーチ陣が考え、選手たちは実行していく。この中3日の期間をいかに活用するかが問われる。

ウォリアーズの選手たちは勝つことに慣れているが、飽いてはいない。だからこそ勝てない現状にフラストレーションを溜める。特にカリーはそれを隠さない。「ここで立て直さなければ、同じ問題を抱えたまま新しい年を迎えることになる。自分たちでコントロールできることであれば、それが何であれやらなきゃいけない。同じ話をするのはもううんざりだ。僕らはチームにならなきゃいけない」

『同じ話』とは彼らが年齢を重ねてもウォリアーズがトップチームであり続けることができるか、世代交代が進まない中で強さを維持できるのか、という話だろう。カリーはここまで昨シーズンと変わらぬ29.4得点を記録し、35歳の今もトップパフォーマンスを維持しているが、勝てなければ『チームの顔』として同じ話を求められる。

「今はとにかく勝利なんだ」とカリーは言う。「シーズン序盤に大事なのは、とやかく言われないような成績を残すこと。毎試合を戦うだけでも大変なんだから、余計なプレッシャーを感じながらシーズン終盤に勝負を懸けるようなことはしたくない。勝率が5割を超えればチームの雰囲気は変わるものだよ」