日本人選手の積極的なアタックでサイズ不足を打開
2月2日、横浜ビー・コルセアーズがホームで三遠ネオフェニックスと対戦。故障により外国籍選手が1人のみとサイズ不足の中、日本人選手の積極的なアタックによりゴール下で得点を量産すると、ここ一番でのリバウンドが決め手となり83-82で激戦を制した。これで横浜は今シーズン10勝目をマークしている。
第1クォーターは横浜の20-17、第2クォーターを終えて三遠の37-36と、前半は全く互角の展開。試合が動いたのは第3クォーターだった。横浜はブランドン・コストナーとプリンス・イベが故障中で、外国籍選手はアーサー・スティーブンソンのみ。帰化選手のエドワード・モリスが序盤に個人3つ目のファウルを犯し、ベンチに下がるしかなくなる。ここでサイズのアドバンテージを得た三遠はジョシュ・チルドレス、ウィリアム・マクドナルドの外国籍コンビによるゴール下への攻撃を強め、2人が計17得点を挙げる。
しかし、横浜は前半2得点に終わっていた点取り屋の川村卓也がアタックからのミドルシュートなどにより、このクォーターだけで10得点と攻撃を牽引。さらにスティーブンソンもゴール下で着実に加点することで3点のリードを奪う。
第4クォーターも一進一退の攻防が続くが、残り約1分半、横浜はターンオーバー奪取から細谷将司のレイアップと速攻が決まり5点リードと抜け出す。さらに横浜の指揮官トーマス・ウィスマンが「一番大きかったのは、モリス選手の最後の2本のオフェンスリバウンドです」と振り返ったモリスのビッグプレーが勝負どころで飛び出す。
残り約1分、モリスはオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで得点。さらに三遠の猛追を浴びてリードを2点まで縮められた残り10秒、川村のシュートが外れたところでモリスが値千金のオフェンスリバウンド。これで三遠はファウルゲームに持ち込むしかなく、フリースローを田渡凌が2本きっちりと決めて熱戦に終止符を打った。
得点が伸びた理由はリバウンドとインサイドアタック
横浜のウィスマンヘッドコーチは、「最後まで集中力をきらさずにいろいろな選手が活躍してくれました。この勝利はチーム一丸となって勝ち取ったもの。特に後半について昨日は30点だったのが47点と、最後までオフェンスをうまく展開できた」と試合を総括。川村の16得点8アシスト、細谷の14得点6アシストに、8得点の湊谷安玲久司朱、7得点の竹田謙と、チーム全体でバランス良く得点を挙げたことが大きかった。
69-80で敗れた昨日と比較し、得点が伸びた理由をリバウンドとインサイドアタックにあると続けた。「リバウンドで39-31、中でもオフェンスリバウンドで13−7と上回ったのが大きいです。リバウンドが勝っているので、シュート本数が相手より多かったです。このチャンスを決めきれたことで、セカンドチャンスポイントで16−3と上回りました。また、今日は昨日と違って横に流れないでリングにアタックしようと試合前から話していて、ペイント内での得点が52−30と昨日(三遠が46-30)と真逆でした」
試合終盤、三遠が24得点18リバウンド7アシストと大暴れだったチルドレスのアタックを強調すべく、マクドナルド、太田敦也との併用というビッグラインアップをこの試合で初めて使った仕掛けに対しては、「藤田(弘輝)ヘッドコーチはチームをしっかりまとめていて、三遠を戦うチームにしています」と敵将の手腕を称えつつ、結果論の側面もあるが横浜にとっては助かったと分析している。
「相手が本来のオフェンスの流れとは違う動きをしていたので、ミスマッチを作られても気にならなかったです。また、ゾーンディフェンスをしており、ゾーンでは2点シュートの方が守りやすいので、ビッグラインアップによってシューターが1枚減ったのは助かった面もありました」
「タフショットを多く決められてしまいました」
連勝が4で止まった三遠の藤田ヘッドコーチも、勝敗を分けたカギについてはウィスマンと同じくリバウンドとセカンドチャンスにあったと語る。
「横浜さんにタフショットをたくさん打たせることはできましたが、それを多く決められてしまいました。タフショットを打つと、外れた時にロングリバウンドになることは多く、そこをチーム全員で拾えなかったのは大きいです。僕らのスタッツのつけ方ですと、前半だけでセカンドチャンスを14点取られていました。(前半の失点)36点中、14点をなくしていればウチのゲームになったと思うので、リバウンドが一番大きかったと思います」
1勝1敗の痛み分けで終わった今回の2連戦。次節、横浜は同じく残留プレーオフ圏内にいるライジングゼファー福岡と敵地で激突する。外国籍選手を欠くハンデを背負いながらも勝てたことを弾みとし、次週も勝ってプレーオフ回避への流れを作りたい。
三遠は次週も今週と同じく平塚総合体育館を舞台に、今度は川崎ブレイブサンダースと対戦。同地区の上位チームで、サイズのある相手にどこまでリバウンド争いで対抗できるか。インサイド陣だけでなく、チーム全員によるボールへの執着心がより大事となってくる。
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