香川ファイブアローズ

苦しんだシーズン序盤を経て、ステップアップを続け首位を狙う

今シーズンはB3リーグを戦場に、B2昇格という新たなチャレンジに挑んでいる香川ファイブアローズ。降格が決まったオフシーズンには、特別指定選手で加入していたルーキーの足達玲太を含めて、筑波拓朗と上良潤起の3選手のみが契約継続となり、主力の大部分はチームを去った。しかし、松井啓十郎ら経験豊富なベテランに加えて、イバン・ラべネルやアンドリュー・ランダルと日本での実績が十分な外国籍選手が加わり、昇格に向けて期待十分なシーズン開幕を迎えた。

ところが10月は接戦を落とす試合もあり、4勝4敗と不安の残るスタートに。特にシーズン序盤は連携ミスなどディフェンスの不安定さを露呈し、40分間継続した強度が保てなかった。それでも、11月に入ったところで籔内幸樹ヘッドコーチの考えが浸透し始め、徐々に改善が進み練度も増し一枚岩となってきた印象だ。実際に11月以降で80失点以上を喫したのは12試合中3試合のみとなっている。オフェンスでも外国籍選手を中心に着実に得点を積み上げる堅実なバスケを遂行し、破竹の12連勝で16勝4敗でリーグ3位につけている。

連勝で勢いに乗る香川が今週末に対戦するのは福井ブローウィンズ。今シーズンから新規参入したチームではあるが、満田丈太郎や細谷将司、田渡修人など直近までB1で活躍していた選手を獲得しリーグを騒がせた。その下馬評通り、17勝3敗でリーグ首位を走っている。香川は1ゲーム差で追っているため、今節の結果次第で順位が入れ替わる可能性が十分にある。

福井で最警戒すべきは、フランス2部リーグで得点王に輝いた実績のあるトレイ・ボイド。リーグトップの平均24.5得点に加えて、チームトップの4.2アシストを誇りオフェンスの起点となっている。特に香川はガードタイプの外国籍選手がいないため、チームディフェンスでどこまで封じ、いかに自由にプレーさせないかが鍵となる。オフェンスでは、前節好調だったラベネルを中心にインサイドでしっかりとアドバンテージを取っていきたい。まずは、B3ダントツトップの平均91.3得点を誇る、福井のオフェンス力を全員で弾き返す意識で臨みたい。

香川ファイブアローズ

注目選手

上良潤起

昨シーズンの悔しさを知る貴重な継続選手であり、今シーズンはキャプテンを担う生え抜き。ここまで20試合中17試合で先発出場を果たし、平均35.9%の3ポイントシュートとタフなディフェンスでバックコートを支える。特に12月に入ってからの4試合では3ポイントシュートを47.1%で成功させているため、シューターとしてもさらなるステップアップに期待したいところだ。

松井啓十郎

昨シーズンまではB1を主戦場にしていた日本代表経験もあるチーム最年長のシューター。コート内では平均10.4得点と日本人選手トップを記録している。長年トップクラスで経験を積んできたメンタリティやバスケに取り組む姿勢など、若い選手も多い香川にコート外でもポジティブな影響を与えるだろう。特にシーズン終盤はベテランの経験が生きる場面が何度も訪れるはずだ。

イバン・ラべネル

20試合すべてで先発出場し、チームトップの平均20.1得点を記録している。全試合2桁得点を挙げる安定感もあれば、前節の山口パッツファイブ戦では35得点と爆発力もあり、得点源として頼りになる存在だ。屈強なインサイドプレーに加えて、今シーズンは45.2%と高確率で3ポイントシュートも成功させている。ディフェンスやスクリーナーなど数字に現れない貢献も非常に大きい中心選手。