今野紀花の挑戦、NCAAの強豪ルイビル大へ「もっとボコボコにされたい(笑)」

2019/02/01
プレーヤー
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今野紀花

文=丸山素行 写真=仙台89ERS、バスケット・カウント編集部

レギュラーが確約されていない初の体験

聖和学園の今野紀花は、この春に高校を卒業し、NCAAの強豪ルイビル大へ進学する。1月27日、仙台89ERSは宮城県で生まれ育った『地元の星』の今野を送り出すべく、広島ドラゴンフライズ戦のハーフタイムに壮行式を行った。

その後の取材に対応した今野は、様々な選択肢がある中で、ルイビル大への進学を選択した理由をこのように説明した。

「身長も高くてスキルも高い、レベルの高い選手がゴロゴロいる中でプレーするほうが自分のためになると思い、アメリカに行くことを決めました。ルイビル大はレベルの高い大学なので少し不安はありますが、成長したいと思っているので、挑戦する気持ちを忘れないで頑張っていきたいです」

3x3アジア大会、U-18アジア選手権でともに銀メダルを獲得するなど、同世代での実力はトップクラス。そのため高校ではライバルと呼べる選手がほとんどおらず、「もっとボコボコにされたい(笑)」と、今よりさらにレベルの高い環境に身を置き、揉まれたいという思いがある。

ルイビル大ではレギュラーの確約はないが、これも渡米で得られる経験ととらえている。「入学したらすぐに試合に出てたりしていたので、初めての経験です。そういう経験は絶対大事だし、プレータイムを勝ち取ったり、信頼を得たりすることが大事だと思います」

高いドリブル技術とシュート力に加え、抜群の視野の広さとパスセンスを有し、ユーロステップもお手の物と、今野の最大の魅力はそのオールラウンド性にある。178cmの今野は、日本では時にポストプレーから得点するシーンもあったが、アメリカではガードに専念するという。バスケIQを高め、それをコートで体現できるような選手を目指すという。

「日本では中のプレーをすることがあったんですが、アメリカではそういうわけにはいかず、外のプレイヤーになると思います。身体が大きく、リーチが長い相手からどうやって得点を取るかとか、外の得点のバリエーションを増やしたいです。またスコアラーだけにならず、アシストやスペーシングなど、バスケットのことをもっと理解してプレーできる選手になりたいです」

今野紀花

恩師のエール「プレーもそうだけど、日頃から自己主張を」

期待に胸を躍らせる今野だが、もちろん不安なこともある。「コミュニケーションがすごく不安です」と言うように、英語での会話が最初の壁となるだろう。それでも「バスケットが一番の言葉だと思うので」と、頼もしい言葉が返ってきた。そもそも英語の勉強が好きで、高校の成績も『5』という今野であれば、楽しみながら挑戦できるに違いない。

聖和学園で今野を指導してきた小野裕も、コミュニケーション面を心配し、「自己主張が大事」と説いてエールを送った。「先輩を立てたり、チームメートの面倒を見たりする良い子なので、逆に自我を出すところが足りないと思っていました。ただアメリカに行くと決めてからその部分が一番成長しました。まずは自己主張をしていかないと生き残れない世界で、プレーもそうだけど、日頃から自己主張をして、考えを他に伝えていけるような選手になってほしい」

高校までは実家暮らしだった今野だが、渡米後はルイビル大で寮生活を始める。そうした環境の変化もフラストレーションになりがちだが、身の回りのことを自分でこなすことへの不安は特別ないという。

またアメリカの女子選手はロングヘアーの選手が多く、髪型について聞くと、「高校は髪を切らないといけなくて、小学校、中学校の時は邪魔だから切っていました。周りから絶対似合わないって言われるんで、すぐ切るかもしれませんが、ずっと短かったので伸ばしてみたい(笑)」と、今のところ伸ばす方向のようだ。

より高いレベルで揉まれるために、ルイビル大への挑戦を決めた今野。髪だけでなく、そのオールラウンドな能力を最大限に伸ばし、チーム内競争を勝ち抜いてほしい。