宇都宮を相手に粘りの展開に持ち込むも敗れる
富山グラウジーズは11月11日、12日に行われた宇都宮ブレックスとの連戦をいずれも落とし、開幕から勝ち星のないままバイウィークを迎えた。集客は絶好調で、土曜は5609人、日曜は悪天候にもかかわらず4813人が富山市総合体育館に詰め掛けて熱い声援を送ったが、勝利という形で応えることはできなかった。
12日の試合では、前日の宇都直輝から喜志永修斗へと先発ポイントガードを変更。ディフェンスでハッスルし、試合をコントロールできる若い喜志永が持ち味を発揮し、宇都宮の出足を抑えることで立ち上がりの5分で8-8と互角の展開に持ち込み、代わって入った宇都が力強いプッシュでチームに勢いを与える。第2クォーターは8-6と超ロースコアの我慢勝負でわずかながら上回った。
それでも第3クォーターに一気に突き放されてしまう。両チームとも3ポイントシュートの入らなかった前半から一転、富山はターンオーバーから相手にチャンスを与えてしまい、若い高島紳司が爆発力をもたらした宇都宮に12-27と圧倒され、そのまま突き放されて51-80で敗れた。
競った展開に持ち込むことはできたが、我慢勝負では宇都宮に分があった。高岡大輔ヘッドコーチは「耐えて頑張って、それが良いオフェンスに繋がるかというと、そこで難しいところがある」と試合を振り返る。「ディフェンスで我慢できる部分は悪くない、ただディフェンスリバウンド力。ディフェンスリバウンドパーセンテージで70%は超えたい。それがないとファストブレイクの展開を作れません。宇都宮さんのようにオフェンスリバウンドに来るチームを相手にリバウンドを取りきれれば、そこからブレイクが出せます。スティールではなくてディフェンスからの繋がりのところを追求する、そのスタイルは続けていきたい」
一方で宇都は、後半に我慢できなくなった要因を「自分たちのオフェンスからリズムを崩した」と見ている。「オフェンスが良くなくてもディフェンスで頑張る、ディフェンスが良くない時にオフェンスで頑張る。それが難しいスポーツではあるんですけど、そこで我慢できなかったのが今回の試合だと思います」
「第3クォーターに離された理由は、僕の覚えている限りだとターンオーバーからの3ポイントシュート。我慢比べの時のターンオーバーは一番やっちゃいけないことです」
「もっとハングリーになれるかなと思っちゃいます」
開幕14連敗という厳しい状況だが、宇都は「過去に同じ14連敗をしています」と、Bリーグ初年度のこの時期を振り返る。「同じとは言え開幕に1勝してからの14連敗だったんですけど、その時も『なんか勝てない』試合が続いていて。当時もみんなが勝つために何をすべきかに集中すれば勝利は舞い込むと思っていて、実際に勝つことができました」
「僕らはバスケを仕事にしている以上、全員で勝つために何をするかです。ベンチの選手はベンチで声を出す。今日だったら僕はセカンドガードで、ファウルを使いながらセカンドガードの仕事を全うする。勝つために自分に何ができるかを全うしていけばチームはまとまっていくし、一つの方向に向かえると思うので、それがすごく重要だと思います」
そして宇都は「当時と比べるっておかしいのであまり言いたくないんですけど」と前置きした上で「もっとハングリーになれるかなと思っちゃいます」と言う。「僕は基本的にそもそも負けたくないんで。バスケット人生において負けて良かったと思ったことは一度もないし、悔しくないことも一度もないんで。ですけどチームとしてもうちょっとあっても良いかなとは思います」
負け続けることの悔しさはチーム全員が感じているが、その反応は人それぞれ。高岡ヘッドコーチは「たくさんの方が会場に詰め掛けてくださって、本当にありがたい環境でバスケができている中で、自分たちの求めるところに達することができず、本当に苦しい、悔しい」と語った。ここから3週間の中断期間でチームとしていかにまとまり、いかに攻守を立て直すか。7年前と同じく幸いなのは長いシーズンの序盤の連敗であり、ここから巻き返す時間が十分にあることだ。すべては彼ら自身にかかっている。
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