八村塁

しかし孤軍奮闘も報われず、レイカーズは大敗

レイカーズは敵地でのロケッツ戦で94-128の大敗を喫した。アンソニー・デイビスが股関節の痛みで欠場したこの試合、クリスチャン・ウッドを初めて先発起用したが、立ち上がりからエナジー不足でロケッツに圧倒されることに。ロケッツのセンター、アルペラン・シェングンがまるでニコラ・ヨキッチのようにポストアップからプレーメークする攻めを止められず、いきなり0-8のビハインドを背負う。レブロン・ジェームズはディロン・ブルックスにフェイスガードを受け、執拗なマークに明らかにフラストレーションを溜めていた。

開始6分で9-17、非常に雰囲気の悪い状況で八村塁はレブロンに代わってコートに送り出された。脳震盪のためNBAの規定でしばらくプレーできなかった八村は、4試合を欠場して10日ぶりの実戦復帰。それでも動きにブランクは感じさせず、ディアンジェロ・ラッセルとのピック&ロールからパスを呼び込んで決めたダンクを皮切りに、積極的なアタックを見せる。速攻でいち早く走って得たフリースロー、オースティン・リーブスのアシストを受けてクイックリリースの3ポイントシュートと得点を連発。第1クォーターの最後にはロングシュートの際にブルックスのファウルを誘い、ここでもフリースローを得た。

第2クォーター最初のプレーでは、ディフェンスのギャップを突くミドルレンジのプルアップジャンパーを決め、これで完全に勢いに乗った。速攻でレブロンのビハインド・ザ・バックを受けて狙ったダンクは相手のファウルで止められたが、その後に八村がスクリーナーになって外に出たレブロンが、3ポイントシュートと見せかけてゴール下の八村にハイローのパスでイージーシュートを演出。その直後に再び2人のピック&ロールから、レブロンがドライブで仕掛けてディフェンスの裏にパスを出して八村のイージーシュートをアシストと、『師弟のコンビネーション』の連発があった。

しかし、レイカーズに勢いが出そうなこのプレーの直後にジェイレン・グリーンに3ポイントシュートを決められ、リーブスの不用意なミスからグリーンにワンマン速攻でド派手なダンクを許すなど、試合はロケッツペースのまま。45-66で前半を終え、第3クォーターも26-33とされ、28点差で始まった第4クォーターはレブロンやディアンジェロは出場せず。八村は第4クォーターもプレーを続け、セカンドユニットのエースとして得点を引っ張ったが、もはや試合の趨勢は変えられなかった。その八村も第4クォーターの半ばで交代している。

レイカーズは一度もリードを奪うことなく、再建チームのロケッツに大敗を喫した。デイビス欠場は痛かったが、ディフェンスとリバウンドに力強さが全くなく、セカンドチャンスポイントとファストブレイクで大差を付けられた。

ひどい試合内容の中で、唯一と言っていい収穫が八村の復活だった。26分の出場でフィールドゴール14本中10本成功、24得点8リバウンド2アシスト2スティール1ブロックを記録。得点もリバウンドもチームトップの数字で、レイカーズに欠けていたエナジーを今後補うことが期待される。