1巡目で敗れた3チームに2巡目でリベンジ成功、暫定7位から順位を上げて5位で大会をフィニッシュ
11月3日、8月末に開幕した「関東大学バスケットボールリーグ戦」1部が最終日を迎え、白鷗大の優勝で閉幕した。昨年のインカレ王者の東海大は12勝7敗の5位で大会をフィニッシュし、キャプテンの黒川虎徹は優秀選手賞とMIP賞を受賞した。
関東大学リーグは今年度より、1巡目終了時の順位で上位リーグと下位リーグに分けるレギュレーションで実施された。東海大は前野幹太や西田陽成ら主力の欠場もあって1巡目を8勝5敗と苦戦。しかし、最下位の7位で滑り込んだ上位リーグでは1巡目で敗れたチームらに雪辱を果たし、4勝2敗と巻き返しに成功した。
最終戦を終えた後、黒川はリーグ戦を次のように総括した。「1巡目はチームがバラバラになって大差で負ける試合が多かったけど、2巡目はチームとしてどういうふうに戦ったら勝利できるかを考えられるようになったし、粘り強さもつきました。大会を終えた今も『まだまだ自分たちはステップアップできる』と思えているので、ポジティブなとらえ方ができるリーグ戦だったんじゃないかと思います」
チームの意識が変わったのは、51-94と43点差の大敗を喫した9月20日の日体大戦。自分たちがどういうチームで、何を目指しているのかを全員で共有し直し、1対1のディフェンスやリバウンドへの意識を引き締めた。黒川は「(2巡目初戦の)大東文化大戦の前からは、練習で誰一人として手を抜かないグレートインテンシティで日々の練習に取り組めていた」と振り返る。
2巡目は1巡目で敗れた筑波大、白鷗大、日体大を相手に3連勝を達成。特にホームゲームイベントとして開催された日体大戦は、チームの総力を投じて相手に食らいつき、3点差で競り勝った素晴らしい内容だった。「1回負けたところにまた負けるのは選手として本当に悔しいですし、チームとしてもダメだとわかって臨めたので、そういった部分では勝ててよかったと思います」
昨年のインカレ優勝の立役者は不在も「スーパースターがいなくてもチーム力で勝てると証明していきたい」
昨年のインカレで劇的な優勝を果たした東海大は『インカレ優勝を目指す』のでなく、チームのあるべき姿を追い求め、正しいプロセスを踏んだ先に『インカレ優勝が待っている』というロードマップを描いた。
新年度を目前にしたタイミングでエースの金近廉(現千葉ジェッツ)が退部した影響も手伝って、東海大は選手たちが理想とするバスケットをなかなか体現できない状況が続いた。しかし黒川は約2カ月半にわたるリーグ戦を経て、「チームとしての粘り強さがついたし、それにプラスしてチームで戦うという意識が根付いてきた」とその成長に手応えを感じている。
また、黒川個人としては得点を取ることにもフォーカスしている。先の日体大戦でも終盤に得点を重ね、チームハイの24得点を挙げて勝利に貢献した。
「自分はポイントガードとしてコントロールするのが得意なんですけど、自分が点を取らないと勢いが乗らないと感じた時や、チームがキツイ時に積極的に点を取ろうという意識がありますし、コーチからも『しっかり点を取りに行け』って言われています。(22得点を挙げた10月15日の)専修戦は、自分にディフェンスが2人寄ってきて、コーナーの西田陽成が空いて良い形ができたので、困った時は自分が点を取りつつ仲間を生かすことを意識してやっていきたいです」
今シーズン最後の戦いにして最大の目標となるインカレは、12月2日より開幕する。連覇は意識していない。今年の、このチームで優勝する。その一点だけに照準を合わせている。
「(リーグ最後の)3試合はどれも60点以上取られているので、ディフェンスはもっと突き詰めないといけないと思っています。でも、自分たちは自信をなくしているわけじゃないし、ディフェンスにしっかりプライドを持ってやっています。インカレまで突き詰めていけば、去年よりも良いチームになれると思いますし、スーパースターがいなくてもチーム力で勝てるっていうのを証明していきたいです。自分はチームメートが喜んでいる姿をただ見たい。そのためにチーム全員を引き上げて、できることをやっていきたいです」