ラスト5分で無失点、17-0のランで逆転勝ち
エースのジャ・モラントが不在でも、戦力は充実している。遅かれ早かれ今シーズン初勝利が訪れるのは分かっていた。それでも開幕6連敗からの1勝だけに、グリズリーズの誰もがホッと一息つくことができたに違いない。ヘッドコーチのテイラー・ジェンキンスはその筆頭で「このリーグで一つ勝つことがいかに難しいか、この2週間で思い知った。選手たちは下を向くことなく戦い続けたが、思い通りにいかないことも多々あったからね」と語る。
指揮官はこう続ける。「それでも今日は素晴らしい試合ができた。リードチェンジを繰り返す厳しい試合で、第4クォーターに9点差を付けられたところから踏ん張った。一人ひとりがベストを尽くし、勝つためのゲームプランを遂行してくれた」
グリズリーズにはツキにも恵まれた。第4クォーター序盤にロバート・ウィリアムズ三世がケガをしたことで、トレイルブレイザーズはゴール下の強みとリバウンド力を失った。一方でグリズリーズはサンティ・アルダマがケガから復帰して今シーズン初出場。緊急補強のビスマック・ビヨンボと交互にコートに立つことで、戦線離脱したスティーブン・アダムズの穴をようやく埋めることができた。
まだ戦力がすべて戻ったわけではないが、グリズリーズが踏み止まり、押し返すだけの戦力が整った。第4クォーター残り5分11秒にマルコム・ブログドンのフリースローを許した後、試合終了まで無失点で切り抜け、17-0のランで試合をひっくり返した。
オフェンスでチームを引っ張るデズモンド・ベインは30得点8リバウンド5アシスト1スティールと大活躍。フィールドゴール試投数27本は打ちすぎだが、彼は自分の責任から逃げることなく攻め続けた。「僕らは戦い続ける中で多くを学び、成長してきた。多くの選手が新たに出番を得てチームに貢献している。今日、チームが見せた方向性とプレーには満足しているよ」とベインは言う。
そのベインについて、指揮官ジェンキンスは「先週の時点からチームを引っ張る意欲が増しているように感じる」と語る。「彼とも話すんだが、相手のディフェンスは厳しくマークしてくる。彼が攻めることも必要だが、必要に応じて彼がボールを持たないのも大事だ。そして彼は相手のディフェンスを見て、素晴らしい対応をしている。30得点は奪ったが、同時に8リバウンド5アシストを記録しているのが彼の良いところだ。苦しい状況でチーム全体のディフェンスを引き締められる。特に試合終盤の展開は、彼なくしてはあり得なかった」
苦しみ抜いた末の1勝ではあるが、これでチームは無用のプレッシャーから解放される。これから戦力が整っていけば、グリズリーズの調子は次第に上向いていくはずだ。