成長を止めないミッチェル、2試合連続の35得点超え
1月になってジャズが調子を上げてきました。その原動力はドノバン・ミッチェルが平均28得点、3ポイントシュート成功率43%の大活躍でチームを引っ張っていることです。特にポイントガードのリッキー・ルビオがケガで6試合欠場すると、ジャズのオフェンスはすべてミッチェルから始まり、強引な突破と冷静なパスワークを織り交ぜ、チームとして安定したオフェンス力を発揮するようになりました。
チームオフェンスが特徴だったジャズが、ミッチェルの個人技に頼るようになって安定したのは皮肉な一面もありますが、2年目ながらリーグ屈指のスコアラーとしてジャズに勝利をもたらすエースの存在は心強い限り。一方で1月22日のブレイザーズ戦は、意図的に仕掛けられたミッチェルがファウルトラブルに陥ったことが敗因にもなりました。
1月24日、開幕から好調のナゲッツを迎えた一戦は、スターターに復帰したルビオのパスを中心にオフェンスを組み立て、警戒されていたミッチェルが序盤は脇役に徹したことで、第1クォーターは2点のみに終わります。第1クォーター終盤にデリック・フェイバーズとマイルズ・プラムリーが揉めて両者が退場すると、第2クォーターにはジェイ・クラウダーとニコラ・ヨキッチも激しい言い合いをするなど試合はヒートアップします。
ヨキッチとゲーリー・ハリス中心にナゲッツが反撃し始めると、ミッチェルは軽やかなステップバックやピック&ロールから次々に3ポイントシュートを打つようになり、第2クォーターだけで4本を決めます。ルーキーシーズンは苦手だったアウトサイドシュートの改善が結果に繋がり、前半はジャズが7点リードで折り返します。
Donovan with 3 quick 3s
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? pic.twitter.com/a0JWiGKgLd— Utah Jazz (@utahjazz) 2019年1月24日
第3クォーターになりスターターが揃っている時間、ジャズは再びルビオを中心としたパスワークで、ルディ・ゴベアのインサイドでの高さとジョー・イングルスのシュート力を使っていきます。ディフェンスが良くサイズもあるトレイ・クレイグに密着マークされたこともあり、ミッチェルは無理をせずチームの流れに身を任せてました。
それでも、ベンチメンバーとミッチェルという構成になった第4クォーターはスクリーンを使いながら、ユーロステップからのレイアップ、強引に突っ込んでファールを引き出すなど、積極的に自分で得点を狙います。それは同時にクレイグに2つのブロックを食らうなどマイナスの側面も出てきますが、ミッチェルがドライブで切り裂くからこそキックアウトパスも生きてきて、ジェイ・クラウダーの3ポイントシュートに繋がりました。
ナゲッツも第4クォーターだけで11点11リバウンドのヨキッチの活躍で食い下がり、最後まで接戦が続きますが、最終盤のジャズはほとんどのオフェンスをミッチェルに託します。時間と点差をコントロールするミッチェルはシュートが外れることはあってもターンオーバーはせず、フリースローを決めてリードを保ち続けます。
そして残り1分半からプレシャーディフェンスでバートンのスローインを5秒オーバータイムにすれば、クレイグのレイアップをブロックし、ディフェンス面で重要な働きによって逃げ切りに成功したのでした。
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?? pic.twitter.com/ssHT6Sb9lR— Utah Jazz (@utahjazz) 2019年1月24日
ブレイザーズ戦に続いて35得点を奪ったミッチェルは、ジャズの選手としてはカール・マローン以来の2試合続けての35点オーバーを達成しました。今シーズン序盤は適切なパスを回すことや、無理のないシュートを打つチームオフェンスを意識しすぎ、指揮官のクイン・スナイダーからも「もう少しワガママにやっていい」と指摘されていました。
そのミッチェルが「チームオフェンスとしての判断力を発揮する時間」と「個人で強引にでも得点する時間」を上手く織り交ぜるようになったことで、チームは調子を上げてきました。高度なチームオフェンスを持ち味おするジャズにおいて、個人で打開できてしまうミッチェルがうまく噛み合うことで、相手にとってはディフェンスの対応がさらに難しくなります。
2年目を迎えて苦しんだシーズン序盤を経て、さらなる成長をみせるドノバン・ミッチェル。ジャズの若きスーパーエースは、結果を出しつつも求められる変化に対応することで、輝きを増しています。