千葉J富樫も「良いチームだと思った」と長崎を評価
今シーズンよりB1に参戦する長崎ヴェルカは、ホームで迎えた開幕節で千葉ジェッツと対戦した。9月末に電撃加入した馬場雄大はコンディション不良で2試合共に欠場したが、第1戦を91-82で制すると、勢いそのままに第2戦も89-86で勝利。昨シーズン準優勝の強豪に連勝し、B1で戦えることを証明した。
日本代表のポイントガードでもある千葉Jの富樫勇樹は「動ける選手が多くて、外国籍選手もピック&ロールの守備で外に出てくる。身体を張る選手が多く、オフェンスも日本代表と同じファイブアウトで速いバスケをしていて、良いチームだと思いました」と長崎の印象について語った。
キャプテンの狩俣昌也は2試合ともにスタートのポイントガードをつとめた。第1戦の第2クォーター終盤には2本の3ポイントシュートを沈めてリードを広げ、最終クォーター残り8秒にはマット・ボンズへキラーパスを通し、大歓声と拍手を浴びた。昨シーズンB2でトップの3ポイントシュート成功率を誇った司令塔は、26分32秒の出場で9得点、2アシストを記録。3シーズンぶりのB1でも変わらぬ安定感を発揮した。
第1戦を終えた後、狩俣はこうコメントした。「ホームで勝って良いスタートを切れて良かったです。チームが勝つために必要なことは何でもするし、求められれば何分でも出ます。一番の役割は勝たせること。達成できて良かったです」
「30勝をクリアして初めてチャレンジになる」
長崎の開幕戦における最大の収穫は『ヴェルカスタイル』と名付けたバスケットが強豪の千葉Jにも通用したことだろう。フロントコートに素早くボールを運び、トランジションを強調し、ルーズボールには外国籍選手も積極的に飛び込む。「HARD(一生懸命)」、「AGGRESSIVE(激しい)」、「SPEEDY(速い)」、「INNOVATIVE(革新的)」、「TOGETHER(一体感)」の頭文字を取って『HAS IT』と呼ぶスタイルを、すべての選手がコートで体現した。
「ガードとしてみんながリズム、テンポ良くプレーできるように心がけました。自分がハンドラーだったらボールを速くフロントコートに入れるし、運んでいない時はコーナーへ走って、フロアを広く取ります。うちには能力が高い選手がたくさんいるので」。狩俣はこのように試合中に心がけていたことを説明した。
狩俣はBリーグ発足から5シーズンにわたり、シーホース三河、滋賀レイクスターズ(現滋賀レイクス) とB1クラブでプレーし、2021-22シーズンより長崎に移籍した。B3、B2でプレーした2シーズンの間にB1各クラブの顔ぶれは大きく変わり、狩俣は「見慣れない状況もある」と言ったが、「昔(B1優勝に)挑んでいた頃に一緒に戦った相手もいますし、B1でのプレーは楽しいです。敵も味方も含めて刺激になります」。35歳を迎えたベテランは今も純粋にバスケを楽しんでいる。
また、開幕戦の3900人という観客動員についてはこのように語る。「2年前に初めてホームゲームを迎えた日を思い出しました。まだ1試合もしていないのに家族連れがヴェルカのTシャツを着て、体育館に来てくれました。今日3900人が入ったのを見て感慨深かったです。幸せでした」
チームの今シーズンの目標は30勝。狩俣は「30勝をクリアして初めてチャレンジになる」と力を込める。ベストメンバーではなかったとはいえ、昨シーズンのレギュラーシーズン歴代最高勝率を更新した千葉Jから連勝を挙げ、長崎は目標達成と上位進出に向けて幸先の良いスタートを切った。
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