取材=鈴木栄一 構成=鈴木健一郎 協力=B.LEAGUE、NIKE

才能があってトップレベルを志す若いプレーヤーはたくさんいるが、実際に成功を収めるのはほんの一握り。だからこそ、才能がある選手が埋もれたままバスケを離れてしまうような事態は避けなければならないし、有望な選手が才能を伸ばしていけるような指導やサポートの体制を整えなければならない。

Bリーグが始まり、プレーヤーを取り巻く環境が激変している今、学生年代の選手たちはどんなことを考えてバスケットボールに取り組んでいるのだろうか。1月13日と14日の『B.DREAMプロジェクト』に参加した、卒業を間近に控えた2人の高校生プレーヤーに話を聞いた。

黒谷瑛太郎「ドライブは自分でもっと磨けば通用する」

黒谷瑛太郎は八王子学園八王子の3年生。自分たちでの代でインターハイとウインターカップに出場している。昨年末のウインターカップでは浜松学院との初戦にスタメン出場。果敢なドライブを武器に16得点を挙げたがチームは敗れ、高校バスケを引退することになった。それから半月、『B.DREAM』の会場に黒谷の姿があった。すでに同志社大への進学が決まっているが、バスケ部の練習が始まる前にトップレベルを体験すべく応募していた。

──実際にトライアウトを受けてみた感想を聞かせてください。

やれるところはあるんですけど、緊張感があってうまく行かないところもありました。やっぱり高校生と違って体格があるので、押し切れないところがあります。スピードではやれるのですが、当たりが足りないですね。またコーチからは「もっと攻めていけ」とアドバイスされました。遠慮ではないのですが、自分勝手なプレーにはやっぱり引け目を感じてしまうので。

──トライアウトだと自分を出してアピールする必要があり、個人プレーが多い人もいました。

自分を見せに行くという点では、そういう人を見習うべきです。チームプレーだけではなく、自分をもっと見せるという意味でも攻めていかないと。自分はドライブで点を取っていくのが持ち味で、そこはできていたと思います。そこは自分でもっと磨けば通用すると思います。

──今回、参加したきっかけを教えてください。

やっぱり試してみたいという気持ちがあって、どれぐらいできるかが知りたかったんです。それで自分から参加したいと思いました。

──この2日間で分かったことは何ですか。

フィジカルトレーニングは絶対に必要だということですね。ドライブのためにも俊敏性を上げるためにも、それに特化した練習をしていかないと。高校でもフィジカルトレーニングはあったんですけど、大学ではもっとフィジカルを鍛えるつもりです。

──Bリーグが始まって、自分に何らかの影響はありましたか?

世間でのバスケットボール自体の認知が高まっていて、友達からも「バスケ部はすごい」とか「やりたい」という声を聞くようになりました。バスケットボールが広がっている感じがあって、それはうれしいです。

──目標としているプロ選手はいますか?

Bリーグだと富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)です。ドライブもシュートも自分にはないものをすごく持っているので目標にしています。NBAだとラッセル・ウェストブルック(サンダー)。全部できるプレーヤーですけど、ドライブが一番見ていて楽しいですね。

──今後の抱負を教えてください。

大学生相手にも負けないように全力で頑張ります。

飴谷由毅「大きくて走れてディフェンスのできる1番に」

飴谷由毅は県立富山工業の3年生。黒谷と同じくインターハイとウインターカップを経験している。県立富山工業はそのどちらも初出場。エースとしてチームを引っ張った飴谷は現在の身長が189cmで、高校入学時から20cm以上伸びた。チームではパワーフォワードだが、ガード志向も強い。プロを目指す彼は今回、高校の顧問に勧められての『B.DREAM』参加となった。

──まずはこの『B.DREAM』に参加したきっかけを教えてください。

顧問の先生と相談しました。大学でも活躍するため自分の実力を試すいい機会だと思いました。

──進学先は決まっているんですか?

大東文化大学です。1部に昇格して、今はいい感じで上がってきています。今年から上位を狙えるチームだと思っています。2月から練習に参加する予定です。

──今回のトライアウトではどんなことを意識してプレーしましたか?

チームで一番大きかったので、中と外を兼用してやりました。自分より大きい選手や強い選手もいるのですが、大きい選手の中ではスピードでは勝っていると思いました。センターをやりましたが本職はフォワードなので、ドライブで切り込んでジャンプショットのようなプレーを意識しましたし、3ポイントシュートも狙いました。それは大学や今後を意識したつもりです。

──今後を意識してポジションを上げていくということ?

大学の先生とも話しているのですが、身長がある中でハンドリングを上げていって、3番や2番に挑戦して、最後は1番にコンバートしていけばいいかなと思っています。高校だと189cmは大きいのですが、大学では外国人選手がいて、189cmはザラにいるので。

──Bリーグが開幕して、プロ志望の選手にとっては目標が明確になったと思います。

自分は大学でもしっかり活躍したいし、こういう場でもプロを目指してやっています。今回はいい機会になりましたし、今は特別指定選手枠があるので、自分も選ばれたいと思って頑張っています。高校3年になってインターハイとウインターカップに出る中で、もっと上のレベルでやってみたいと思うようになりました。それでプロに行ければと思っています。

──大学ではどんな強みを見せていくつもりですか?

大きい選手の中では自分は走れるほうなので、クイックで相手に対していけばいいと思います。あとはディフェンス。決めに来る時はドリブルでクロスオーバーを使って抜きに来ることが多いので、自分は腕が長いので狙っています。深くやられたら取れませんが、だいたいの相手は前で取れます。そこでアピールしたいです。

──4番や5番をやっていて、よくそのディフェンスを身に着けましたね。

高校では自分から1番の選手についていって足作りしました。チームの4番や5番の選手とやっても遅いので、ガードの選手、ハンドリングの良い選手とやってどれだけディフェンスを上げられるかに挑戦してきました。これは大学でも絶対に必要になると思ってやっています。

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