デイミアン・リラード

「優勝できるチャンスはあるとずっと信じていた」

今オフ、デイミアン・リラードはNBAデビューから11シーズンを過ごしたトレイルブレイザーズにトレード要求を突き付けた。長年に渡るクラブへの貢献を最大限に尊重すると言いながら、実際には再建へと舵を切るブレイザーズのやり方にリラードは業を煮やし、NBA優勝を求めてヒートへの移籍を希望している。しかしトレードはなかなかまとまらないまま、開幕が近付いている。

そのリラードがトークバラエティ番組の『It Is What It Is』に出演。和やかな雰囲気の中で司会者に求められるままに、移籍について率直な心境を明かしている。ジェームズ・ハーデンも同じようにトレードを要求して、移籍が決まらないまま現在に至っているが、「他の誰かがどんなルートを通ったとしても、それは僕のやることじゃない。自分のことじゃない出来事がどう転ぶかによって僕自身が影響されることはない」と断言する。

「僕にとって完璧な世界であれば、ポートランドでキャリアのすべてを過ごしていただろうね」とリラード。それでも彼はオークランド出身で、地元のウォリアーズでプレーしていれば『王朝』の一員になっていたかもしれない。そんな『完璧な世界』について質問された彼は「それは違うよ」と言う。「ウォリアーズがこの8年か9年に成し遂げたことはリスペクトしているし、確かに僕はベイエリアの出身だけど、その一部になることはできない」

ウォリアーズが『王朝』を築く間、ブレイザーズはリラードがいなければ勝てないチームだった。それでも「優勝するチャンスがないのにブレイザーズに残っていた理由は?」と問われると、リラードは「ベストを尽くせば優勝できるチャンスはあるとずっと信じていた」と、質問自体を否定した。

「みんな僕らが勝つのは不可能だと思っていたかもしれないけど、シーズンによってはすごく勢いがあった。圧倒的な力で優勝するようなことはなくても、カンファレンスファイナルに進出したシーズンのように『今回はやれる』と感じたことはあった」

そしてリラードは彼なりの美学を語る。「NBAで優勝したい。パレードをして、街の人たちに誇りに思ってもらいたい。NBAプレーヤーならみんなそう望んでいる。僕もキャリアが終わるまでに、何としてでも手に入れたい。ただ、ベストを尽くしてそれがかなわなかったとしても、それだけがすべてじゃない」

「チャールズ・バークレーやパトリック・ユーイングは優勝リングを持っていない。だからと言ってダメなプレーヤーだろうか? そうじゃない。僕とCJ(マッカラム)は8年間バックコートでコンビを組んだ。同じようなサイズで同じようなプレースタイルの2人だから、いずれ道を違えることは薄々感じていたように思う。それも含めて僕らは互いに率直で、彼がトレードされる前の晩にも『そろそろだな』と話していた。何年も上手くいかなかったから、そうなるだろうと思っていた。今回も同じさ。何年も上手くいかなかったから、こうなるしかないんだ」