移籍1年目でシックスマン賞を受賞も、トレードの放出候補となり不信感

セルティックスは王者まであと一歩のところでの敗退が続いている。ここ4シーズンでファイナル進出が1度、カンファレンスファイナル進出が2度と安定して結果を出しているが、タイトルには届かない歯がゆい思いをしている。

この壁を乗り越えるべく、チームはオフに長年の課題となっていた試合を支配できるビッグマンとしてウィザーズからクリスタプス・ポルジンギスを獲得した。ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、ポルジンギスによる『ビッグ3』は大きな期待を抱かせる陣容だ。

ただ、一方で不安要素も残っている。ポルジンギス獲得のために、タフな守備でチームを鼓舞していた精神的支柱のマーカス・スマートをトレードで放出したのは大きな損失だ。さらに、現在最大の問題となっているのは、マルコム・ブログドンの精神面のケアだ。ポルジンギス獲得のトレードにおいて当初、放出要員はスマートではなくブログドンだったが、移籍先のクリッパーズによる身体検査をクリアできずに破談となった。その結果、セルティックスは新たな交換要員としてスマートを用意し、彼をグリズリーズに放出することでトレードを成立させた。

ブログドンは昨シーズンのオフにトレードでペイサーズから移籍。ペイサーズでは先発ポイントガードを務めていたが、セルティックスでは控えの役割を受け入れシックスマン賞を受賞と見事な移籍初年度のシーズンを過ごした。それだけに、わずか1年で自身に見切りをつけた首脳陣に不信感を持ったのは間違いない。

地元紙『Boston Globe』のゲイリー・ウォッシュバーン記者によると、セルティックスはブログドンとの関係を修復できていないという。ポッドキャスト番組『Celtics Beat』に出演したウォッシュバーンは「マルコムに関しては気になっている。何故なら彼がチームに対して怒っている、ということ以外に何も聞かないからだ。両者の間で十分なコミュニケーションが取れているとは思えない」と語る。

さらにウィッシュバーンは、「彼がハッピーでないのは問題だ」とセルティックス首脳陣がうまく問題に対処できていないと続ける。「7月の時点で彼はハッピーではなかった。9月になって、彼の不満が同じレベルなのかは誰も分からない。今夏、彼はこの点について全く話していないからね。ただ、マルコム・ブログドンは一連の出来事やトレードさせる可能性があったことに不満を持っていた」

セルティックスはスマートが移籍したにも関わらず、即戦力のガードを獲得していない。そのため、ブログドンとデリック・ホワイト、ペイトン・プリチャードの残留組でスマートの穴を埋める予定だ。しかし、ブログドンがチームに100%の忠誠心を持てないまま開幕を迎えることになれば、チームの団結に支障をきたしそうだ。