ジョシュ・ハート

控えに回ったブランドン・イングラムも理解「僕に合っている」

アメリカはワールドカップの1次リーグを危なげなく3連勝で突破し、今夜2次リーグ初戦をモンテネグロと戦う。

指揮官のスティーブ・カーは、3戦目のヨルダン戦と同じくジョシュ・ハートを先発起用すると明言した。大会前の強化試合から、スモールフォワードで先発していたのはブランドン・イングラムだったが、オフボールでプレーするのが得意ではない彼は、ジェイレン・ブランソンとアンソニー・エドワーズと上手くフィットしていなかった。

セカンドユニットでタイリース・ハリバートンやオースティン・リーブスとプレーする方がイングラムの持ち味が生きる、というのが指揮官の考え方だ。「イングラムは快適そうにプレーしていた。ベンチから出るのに慣れていないのに、良いプレーをしてくれた」とカーは言う。「彼の出来が悪かったわけじゃない。あのラインナップにハマらなかっただけなんだ」

イングラムは自らチャンスを作りだして決めるオンボールプレーヤーだが、ハートはその逆でボールを持たなくても良さを発揮できる。ここまでディフェンスとリバウンドでチームを引っ張り、特にリバウンドは平均17.8分の出場にもかかわらず9.0と目立つ。

スタープレーヤーが揃うアメリカ代表が機能するかどうかのカギはディフェンスとリバウンドで、ベンチから出てチームにエネルギーを注入するハートのパフォーマンスは際立っていた。それは先発になっても変わらず、カーの評価を勝ち取っている。

カーは言う。「ジョシュはリバウンドでチームを引っ張ってくれる。身長のハンデを乗り越える激しさと粘り強さがあり、NBAでもスイッチして大きな選手とマッチアップするのに慣れている」

ディフェンスとリバウンドでチームを引っ張るハートを先発に昇格させることは、他の選手にも良いメッセージとなるだろう。控えに回されたイングラムの気持ちの面だけが懸念されるが、イングラム自身が開幕から2試合を終えたところで『The Athletic』の取材に「自分のことを考えてわがままを言うつもりはない。少しストレスはあるけど、どうやって良いプレーができるかを考えているところなんだ」と語っており、ヨルダン戦を終えた後には「僕に合っている」とラインナップ変更に効果があったことを認めている。

ハートはエネルギッシュなプレーでアメリカ代表を支えている。イングラムの力もいずれ必要になるだろう。アメリカ代表は良いスタートを切り、さらに調子を上げようとしている。