デニス・シュローダー

ダニエル・タイス「全てのチームが僕たちとの対戦に苦しむと思います」

FIBAワールドカップ2023、グループリーグの中で最も過酷と言われていたのが、開催国の日本、オーストラリア、ドイツ、フィンランドで構成されるグループEだった。この死のグループを3戦全勝で通過したのがドイツ代表だ。

初戦で日本に81-63で快勝すると、2試合目には東京五輪で銅メダルのオーストラリア相手に85-82と激戦を制す。そして3試合目のフィンランド戦も前半こそ僅差だったが、後半に入って一気に突き放し101-75と危なげない勝利となった。

初戦の日本戦で中心メンバーであるフランツ・ワグナーが負傷したドイツだが、オーストラリア戦ではマオド・ローが20得点をマーク。選手層の厚さを見せるとともに、デニス・シュルーダーらNBA組と欧州組がうまく融合したチーム力の高さを見せている。

NBA組の1人であるビッグマンのダニエル・タイスは、グループリーグ3試合で平均10得点、4.3リバウンド、2.3アシストを記録。ゴール下での高確率なシュート、フィジカルの強さを生かしたタフなディフェンスで、ドイツの3連勝スタートに貢献している。

タイスはフィンランド戦後、「全ての試合の勝利が、次のラウンドに持ち越されるので重要でした。試合をこなすごとにチームは良くなっていて、着実にステップアップができています」とグループリーグを振り返る。

今のドイツの強みを「総合力の高さ」だと語るタイスは、中でもディフェンス面について「全てのチームが僕たちとの対戦に苦しむと思います。ピック&ロールに対するスイッチなど、さまざまなディフェンスができます。リバウンド面でも徐々に良くなっています」と自信を見せる。ただ、そこに慢心はなく、グループリーグの好成績を『過ぎたこと』と切り替えている。

「昨年のユーロバスケットの時から大きな自信を持って戦えており、3位という好成績を収めることができました。そしてグループリーグの3試合で、より自信を深めることができました。ただ、それらは終わったことで、これからの戦いには関係のないことです」

2次ラウンドの大一番は、ルカ・ドンチッチ率いるスロベニア代表戦だ。周囲はドンチッチをいかに抑えるかに注目するが、ドイツ代表のエースであるシュルーダーは「ルカは世界ベストの選手だ。ただ、僕たちは、自分たちにフォーカスしている」と語り、今のチームの仕上がり具合に自信を見せる。

「みんなが自分の役割をわかっています。そしてコーチは、選手をどう起用すべきか分かっていて、選手たちはしっかりと従っている。一体感、タフネス、競争心、チーム一丸となることを楽しめているのが、好調を維持している秘訣です」

特定の選手に依存しない総合力の高さで、2次ラウンドでも好調をキープできるのか。試合を重ねるごとに、ドイツ代表の戦いぶりへの注目度は高まっている。