最終クォーターを35-15とする痛快な逆転劇

バスケットボール男子日本代表がワールドカップのグループリーグ2戦目で、フィンランド代表と対戦した。

日本の先発はドイツ戦と同じ富樫勇樹、原修太、馬場雄大、渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソンの5人。セカンドチャンスから3ポイントシュートを決められて先制を許すも、馬場がワンマン速攻からダンクをかまし、渡邊も速攻を決めて対抗した。

守っては前からプレッシャーをかけると、連携を得意とするフィンランドのパスコースを消してタフショットを強いり、しっかりとディフェンスリバウンドを確保した。こうしてディフェンスが安定した日本はその後もトランジションが機能。さらに途中出場の比江島慎が4点プレーを決めれば、持ち味のドライブも炸裂して9得点を固めるなど、攻守が噛み合って22-15で第1クォーターを終えた。

第2クォーター序盤、フィンランドのプレスディフェンスに手を焼きオフェンスが停滞。富永啓生が2本の3ポイントシュートを沈めてリードを保っていたが、息が合い始めたフィンランドのチームバスケットを止められず、残り約4分半に逆転を許した。その後もズレを作れずにフィンランドディフェンスを崩せない状況が続く中、比江島がファウルを誘発し、3点プレーも獲得とチームを救う働きを見せたが、フィンランドに高確率でアウトサイドシュートを射抜かれ、36-46で試合を折り返した。

後半に入ると、日本はトランジションに加え、河村のドライブなどハーフコートオフェンスが機能し得点ペースが上がる。しかし、前半に55%で3ポイントシュートを決められたように、後半に入っても多彩な連携プレーから高確率で3ポイントシュートを射抜かれたことで点差が縮まらない。プレッシャーを高めるも、ギャンブル要素のあるディフェンスを突破され続け、一時ビハインドは18点まで広がった。それでも、富永の3ポイントシュートで息を吹き返すと、ラストポゼッションでも馬場が長距離砲を沈め、63-73まで戻して最終クォーターを迎えた。

日本は富永のディープスリーで先制し、ついに点差を1桁に戻す。さらに富永がアンスポーツマン・ライク・ファウルを誘発して流れを引き寄せると、開始約4分で2点差まで詰め寄った。そして残り4分35秒、河村が高速ドライブからバスケット・カウントを獲得。フリースローも沈めて79-78と逆転した。

これで勢いに乗った日本は完全に流れを掌握。河村が3ポイントシュートを沈め、ホーキンソンがフリースローを決めてリードを拡大。球際の争いでも上回るなどディフェンスも機能した。こうして一度つかんだ流れを最後まで離さなかった日本が最終スコア98-88で歴史的1勝を手にした。