カール・アンソニー・タウンズ

タウンズは26得点10リバウンド、開催国フィリピンとの接戦を制す

カール・アンソニー・タウンズは10年ぶりにドミニカ共和国の代表チームに参加し、ワールドカップに出場している。8月25日に行われたその初戦は、開催国のフィリピンが相手。アリーナにはFIBAの国際大会の新記録となる3万8115人のファンが詰め掛けた。その大多数がフィリピンの応援をして、第4クォーター残り3分半まで1ポゼッション差と食らい付く大熱戦に酔いしれた。

しかし、そこでフィリピンを牽引するジョーダン・クラークソンがファウルアウト。タウンズの得点でドミニカ共和国が突き放し、87-81で初戦を制した。

ティンバーウルブズと同じ背番号32を着けたタウンズは26得点10リバウンドと大活躍し、試合後に「共和国のためにプレーする瞬間、そしてこの勝利をずっと求めてきたんだ。これからもハードに戦い、自分にできるプレーをすべてやってチームに貢献したい」と語る。

フィールドゴール16本中わずか5本成功とシュートタッチには苦しんだが、コートに立った34分半は常に積極的に攻め、16本のフリースローを獲得して15本を決めている。

タウンズが最後に代表でプレーしたのは2013年のアメリカ選手権。当時はNBA指名を受ける前の若手有望株に過ぎなかったが、2015年のNBAドラフトで全体1位指名を受けると、新人王になり、オールスターに3回、オールNBAに2回選出された。ただし、ウルブズは長らくポテンシャルはあるが勝てないチームのままで、彼が加入してからの8シーズンでプレーオフ進出は3度だけ、いずれもファーストラウンド敗退に終わっている。

彼にとって今回のワールドカップへの参加は、キャリアを再び押し上げるための勢いを得るためのものだ。

彼は『The Athletic』の取材に対し、インターネットに出回る前回の代表でのプレー集をしばしば見返していたと明かす。「あの時はこんな表情でプレーしていたのか、あの時はこんな気持ちでプレーしていたんだっけ、と刺激をもらえるんだ」。動画を見て刺激を得られるのであれば、実際にプレーすればどんな気分になるのだろうか?

その興味が彼を代表復帰へと突き動かした。27歳の彼はこれからキャリアの最盛期を迎えようとしているが、代表でプレーすることで10年前のバスケへのフレッシュな気持ちを取り戻すだろう。フィリピンの熱狂的な雰囲気も、彼のプレーする喜びを大いに刺激したようだ。タウンズが参戦したことで、ドミニカ共和国はこの大会で旋風を巻き起こすかもしれない。