シックスマンから先発に転じて川崎を支える藤井祐眞「目の前の1試合にすべてを」

2019/01/08
Bリーグ&国内
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藤井祐眞

文・写真=鈴木栄一

シックスマンから先発へ、平均14得点、5.8アシスト

川崎ブレイブサンダースは、2019年最初のリーグ戦で秋田ノーザンハピネッツ相手に連勝を飾った。2試合目となる6日の試合では秋田の特徴である前から激しく当たって来るディフェンスに苦しめられる場面もあったが、試合全体で見ればそつなく対処できていた。

この試合、藤井祐眞は開始直後に連続3ポイントシュートでチームに勢いを与えて第1クォーターの29-9のビッグランへと導く。そして、第4クォーターに終盤にはゴール下へのドライブからバスケット・カウント、さらに3ポイントシュートと秋田に止めを刺し14得点をマークし、勝利に大きく貢献した。

「相手がファウルになっても仕方ないようなハードなディフェンスを仕掛けて、こっちがイライラしたら負けでした。シュートまで行けているのに決まらない。ターンオーバーも出る苦しい時間帯がありましたけど、そこでよくディフェンスで我慢して相手の得点を抑えられました」

勝因をそう語る藤井だが、一方で自身が6ターンオーバーを喫したこと。そしてフリースローを2本ミスしたことに反省しきりだった。「出だしからシュートは入っていましたが、ターンオーバーが続きました。試合によって波があるのは避けないといけないです。自分から積極的に仕掛けてのターンオーバーはまだ多少はいいと思いますけど、今日みたいに相手の狙い通りに、やらせたいことをやらせてしまったターンオーバーは修正したいです。あとはフリースローで、終盤にもらったものを2本外してしまいました。あれが1点差、2点差でしたら試合の勝ち負けに影響してきます。フリースローは集中力の問題。序盤もそうですが、特に終盤の勝負どころは1本1本を大切にしていくことです」

藤井祐眞

「辻さんと違った仕事でチームに良い影響を与えたい」

藤井はベンチからチームに勢いを与える存在として、昨シーズンのベストシックスマン賞を受賞している。しかし、今シーズンは篠山竜青のシューティングスランプ、現在も続いている辻直人の故障離脱をうけ先発を担うケースが多い。ここまでの31試合のうち先発19試合とベンチスタートの機会の方が少なくなっている。

ベンチスタートから先発へと変わったことによる意識の変化は当然のようにある。「シーズン当初は控えで、去年みたいに流れを変えるプレーだったり、チームに良い流れを持ってくることを意識していました。そこから状況も変わって今は先発をやっているので、頭の中を切り替えています。辻さんがいない分、ニック(ファジーカス)に頼りがちになってしまう傾向もあるので、そこで自分がピック&ロールだったりパスをどんどんさばいていったりする。竜青さんとツーガードで出ているので、どっちが仕掛けてもいい状況にあることで、相手にとっては的を絞りづらい部分もあると思います。辻さんのようにいかなくても、辻さんと違った仕事でチームに良い影響を与えていきたいです」

また、篠山ではなく、若手の青木保憲、谷口光貴らと一緒にプレーする時は、自身がよりリーダーシップを発揮していくことを心がけている。「竜青さんと一緒の時は、コントロールしてくれるので自分が得点、チャンスメークをできるように意識しています。青木とツーガードの時はコントロールも求められる。特にニック、竜青さんが両方いない時間帯など、コントロールする選手が他にいない時は、自分がもっと意識を高く持ってやる必要があると感じています」

藤井祐眞

天皇杯では「内容よりも勝ち負けにこだわって」

次の試合は天皇杯のベスト8で、相手は難敵の千葉ジェッツとなる。「相手の得意な速攻を出されると勢いに乗せてしまうので、走られたくないです。戻りの意識を高くし、リバウンド、ルーズボールで負けなければそのチャンスも少なくなります」と、千葉の十八番であるトランディションオフェンス封じが大事になると藤井は強調する。

リーグ屈指の堅守を誇る千葉のディフェンスを打ち崩すためには、辻の故障離脱をうけ先発となった11月24日以降、13試合の内12試合で2桁得点を挙げ、平均14得点、5.8アシストを記録している藤井の『個で打開するクリエイター』としての働きも大事な要素となる。

開幕からフル出場を続け、代名詞であるルーズボールへの鋭い寄せなど身体を張ったプレーを持ち味とする藤井なだけに、過密日程の中で身体に痛みがないわけはない。「身体は痛いところばかりです」と本人も言うが、一方で「自分の仕事で身体を張るところは張らないといけない。多少は身体を犠牲にしてでも頑張らないといけない」と、ハードワーカーの矜持を見せる。

最後に藤井は、「リーグ戦とトーナメントは別物で、何が起こるか分からない。1試合ずつすべてを懸けてやっていきたい。一つのタイトルが懸かり、リーグ戦とはまた違うスイッチが入ります。内容よりも勝ち負けにこだわってやっていくだけです」と天皇杯への意気込みを語った。日本代表のファジーカス、篠山と同じく、藤井がどれだけ質の高いパフォーマンスを披露できるかも、川崎の王座奪還のために肝となるポイントだ。