「苦しかった数年間を過去のものにしたい。そのための努力は惜しまない」
ケンバ・ウォーカーは新天地をヨーロッパに求め、モナコと1年契約を交わした。
2011年のNBAドラフトで1巡目9位指名を受けて入団したホーネッツでの8シーズンでスター選手へと成長したケンバは、セルティックスに移籍した2019-20シーズンに左膝を痛めた。それまでケガのほとんどない選手で、自らの得点力でチームを引っ張ってきた彼は、責任感から無理にプレーを続けてケガを悪化させた。
ここ2シーズンはニックス、マーベリックスに所属し、かつてと変わらぬオフェンス力で大量得点を奪う試合もあったが、爆発的な運動能力を失ったことでパフォーマンスは安定せず、いずれもシーズン途中で構想外に。ベンチからの起用は受け入れたものの、身体能力の衰えに合わせてプレースタイルを変えることができなかった。
NBAからヨーロッパへの挑戦は、ヨーロッパ出身の選手には多いが、アメリカ人選手はあまり選ばない選択肢だ。それでもケンバは「モナコが僕に強い関心を持ってくれたことが決め手だった。高いレベルでバスケを続ける機会だし、楽しい時間になると期待している」とチームの公式サイトで語った。
ここ数年の苦戦を「僕にとっては非常に厳しく『難しい』なんて言葉じゃ表現できないものだった」とケンバは振り返るが、すでに気持ちは切り替わっている。「苦しかった数年間を過去のものにしたい。そのための努力は惜しまないよ。僕のバスケへの情熱は何も変わっていないし、今もプレーするのが大好きだから、まだあきらめたくない。もう続けられないと感じるまではプレーしていたいんだ。素晴らしい人たちに囲まれてバスケをする、モナコでのこのチャンスを楽しみにしているし、チームが何かを築き上げる手助けをしたい」
NBAへの復帰は今後も意識するが、こだわるつもりはないと言う。「NBAが一番の目標であるのは言うまでもないけど、どうなるかは分からない。僕はもう何年もNBAでやってきたし、今は新しい挑戦だけに集中している。すべてが待ちきれない。素晴らしい瞬間が待っているはずだ」