トレイ・ヤング

「コーチ・キラーのレッテルは、僕にとって本当にクレイジーなこと」

ホークスのトレイ・ヤングはチームの絶対的なエースでありフランチャイズの顔だ。その卓越したシュート力に加え、歯に衣着せぬ言動で対戦相手に食って掛かり、ヒール役になることも気にしない負けん気の強さも魅力だ。しかし、その気持ちの強さは時にマイナスにも作用し、コーチ陣との不協和音を起こすトラブルメーカーと見られることもある。

2018年にヤングが入団後、ホークスはロイド・ピアース、ネイト・マクミランと2人のヘッドコーチがシーズン途中で解任の憂き目にあった。その主な理由は大黒柱であるヤングとの関係悪化とも言われており、ヤングには『コーチ・キラー』という悪名がつけられている。

だが、ヤングは当然のようにこの見方に反発する。ドレイモンド・グリーンのポッドキャスト番組に出演すると「コーチ・キラーのレッテルは、僕にとって本当にクレイジーなことだ」と語り、ピアース、マクミランとの間に問題は何もなかったと強調する。「LP(ピアース)は僕たちにとって完璧な存在だった。チームは若く、LPはフィラデルフィアで育成担当もしていたからね。彼はホークスが初めてのヘッドコーチで、彼の初日は僕のNBA選手としての初日でもあった。僕たちは一緒に歩んできて、LPには愛情以外の気持ちはない」

「ネイトは(ロイドの解任を受け)シーズン途中にヘッドコーチとなり、カンファレンスファイナルまで勝ち進んだ。翌シーズンからも、彼がチームの指揮官であることに僕たちも興奮していた。だが、彼は解任されてしまった。みんなは僕が解任させたと言うけど、僕たちの関係は良かった」

現在のヤングは「正直、コーチ・キラーと言われることに何も感じることはない」と言う。そして昨シーズン途中から就任したクイン・スナイダーについて、「彼が僕にとってのスティーブ・カーになることを望んでいる。クインが僕たちを3度、4度のチャンピオンシップに導く存在になってほしい」と語り、ウォリアーズで黄金時代を築いたカーヘッドコーチを引き合いに出した。

スナイダーヘッドコーチは前任のジャズでプレーオフに進むも、勝ち切れなかった経歴の持ち主だが、ヤングは「クインの過去は見ていない」と全く気にしていない。現時点でヤングとスナイダーヘッドコーチは、しっかりとした信頼関係を築くことができている。ヤングが望む黄金時代の到来には、ステフィン・カリーとカーヘッドコーチのように、このまま強固な関係をキープできるかが重要となりそうだ。