ジェイソン・テイタム

「フラストレーションを感じ、自分の殻に閉じこもってしまった」

NBA東カンファレンスファイナルでセルティックスはヒートとの第7戦に84-103で完敗した。NBAの長い歴史において、プレーオフで0勝3️敗となったチームは150連敗中と、そこから逆転でシリーズを突破したチームはなかったが、今回もその歴史が変わることはなかった。

セルティックスにとって不運だったのはエースのジェイソン・テイタムが、試合早々に足首を捻ってしまったこと。これで本来の動きができなかったテイタムはフィールドゴール13本中5本成功の14得点に留まった。

「タフだった。残りの試合を通して影響があった。足首は腫れてフラストレーションを感じ、自分の殻に閉じこもってしまった。動くのがタフだった」。試合後の会見で、こうテイタムは語り、想定外のアクシデントにより平常心でプレーできなかったことを悔やんだ。

ただ、「誰にも同情されたくない。不幸なことだけどケガは試合の一部であるんだ」と言い、このケガを敗因にしたくはないという矜持を見せた。

チームメートのマーカス・スマートも、テイタムが足首を痛めた影響の大きさを振り返る。「彼はコートに残り戦い続けようとした。ただ、見ての通りいつもの彼ではなかった。爆発力がなく、足首の痛みで彼は本当に辛かったと思う」

また、故障に苦しんだのはテイタムだけではなかった。スマートはこう続ける。「D(デリック)ホワイトも膝を痛めてしまった。もちろん、マルコム(ブログドン)も故障している。ケガは試合の一部であり、自分たちでコントロールできないもの。ただ、発生したタイミングが悪かった」

スマートが語ったように、セルティックスはこの大一番で運に見放されてしまった。だが、テイタムと並ぶ2枚看板のジェイレン・ブラウンがフィールドゴール23本中8本成功に留まっての19得点に終わり、テイタムの穴を埋めるためにステップアップする選手が出てこなかった。ケイレブ・マーティン、ゲイブ・ビンセントら脇役の飛躍が目立ったヒートに比べ、総合力で劣っていた面は否めない。

脅威の追い上げで『GAME7』に持ち込んだとはいえ、セルティックスがファイナル出場を逃した事実に変わりはない。今オフにどんな動きを見せるのか、フロントの判断に注目だ。