急激に身長アップ。魅力的なウイングスパンと身体能力を備えるウイング
今年のNBAドラフトにおいて、全体1位指名権を獲得したスパーズがフランス出身のビクター・ウェンバニャマを選択することは確実視されている。そして、フランス出身の逸材として今、ウェンバニャマのチームメートに対する評価もどんどん上がっている。
7月末に19歳となるビラル・クリバリは、ウェンバニャマと同じフランス1部リーグのメトロポリタンズ92に在籍。チームのエースとして大活躍中のウェンバニャマと違い、彼のスタッツは1試合平均18分の出場で5.0得点、3.0リバウンドと平凡だ。ただ、プロ1年目となる今シーズンを通して大きな成長を見せているのは間違いない。
当然のようにクリバリのプレーは、まだまだ荒削りで安定感に欠けている。だが、そもそもNBAドラフトはポテンシャル重視の青田買いの場となっている。またクリバリの場合、この2年間による急激な身体の成長に感覚がまだ追いついていない側面もあり、技術的な荒さはこれから改善できると予想する声も少なくない。
『Yahoo Sports』によるとクリバリは2年間で身長が167cmから190cmと急激に伸びた経験があり、さらに現在は198cmにまで成長している。さらにウイングスパンは220cmと申し分ない。彼は身長が伸びる中でもスピードを失わず、ボールハンドリングなど基礎はしっかりしている。その結果として、高い打点から放たれるジャンプシュートも大きな武器で、今シーズンの3ポイントシュート成功率は40%近い数字だ。
また、守備においてもリーチが長く、機動力も備えていることからスイッチディフェンスで複数のポジションの選手への対応も期待できる。リーチと跳躍力を生かしたブロックショットも魅力的だ。
シーズン開幕前のクリバリはプロとしてのキャリアが始まったばかりで、2024年のNBAドラフトへのエントリーを目標に掲げている状況だった。今年のドラフトにエントリーしても20位以降の下位指名となりそうだったが、非凡な才能を示したことで1巡指名が濃厚と見られるまでに評価が上がっている。ウェンバニャマとともに、彼の去就にも注目していきたい。