アドリアン・グリフィン

ニック・ナースのアシスタントコーチを務め、育成の手腕にも定評あり

マイク・ブーデンフォルツァーを解任したバックスは、後任のヘッドコーチにエイドリアン・グリフィンを据えると『ESPN』が報じている。

グリフィンは2008年の現役引退とともに指導者へと転身。2008年からバックス、ブルズ、マジック、サンダーでアシスタントコーチを務め、2018年にニック・ナースがラプターズのヘッドコーチに就任すると、その右腕となった。

48歳で初めてヘッドコーチに就くことになるが、ブルズのアシスタントコーチだった2014年あたりから多くのチームが彼をヘッドコーチとして採用するための面接は行ってきた。今回は長らく彼と一緒に働いたナース、そしてケニー・アトキンソンの3人が最終候補に残り、エースのヤニス・アデトクンボもこの全員と話す機会を持ったという。結果、グリフィンのリーダーシップと人間性、チームディフェンスを構築し、若手を成長させる手腕が評価された。

これまでトム・シボドーやビリー・ドノバンの下でもディフェンスシステムを構築した彼は、ニック・ナース率いるラプターズでチームディフェンスを武器に2019年のNBA優勝を勝ち取っている。ブルズではジミー・バトラー、ラプターズではパスカル・シアカムが、彼が育て上げた選手の代表格となり、この部分での期待感がナースを差し置いて彼が採用される理由になったと推測される。ちなみにホークスのAJ・グリフィンは彼の息子で、親子2代でのNBAプレーヤーとなる。

ブーデンフォルツァーは2018年から5シーズンの長期政権を築き、2021年にNBA優勝を勝ち取った。それでもチームのサイクルは終わりを迎えたと見られており、ヘッドコーチ交代とともに世代交代を伴うチーム再編が行われることになりそうだ。そこでグリフィンは中心的な役割を果たすことになる。28歳でこれからキャリアのピークを迎えるアデトクンボを擁するバックスが、新たな指揮官の下でブーデンフォルツァーのサイクルを超えるような新たな時代を築けるか、注目が集まる。