瀬川琉久

中学校時代はクラブチームのゴッドドア(兵庫県)に所属し、『Jr.ウインターカップ2021-22』の決勝戦で28得点16リバウンド5アシスト2スティール1ブロックを記録した瀬川琉久。『世代No.1プレーヤー』の呼び声高い彼は全国制覇の立役者となり、個人でも大会ベスト5に選ばれた。東山高校にスーパールーキーとして入学した昨年はインターハイ、ウインターカップの2大会ともに出場を逃し、悔しい思いをした。それでも2月に臨んだ新人大会では優勝と結果を残した。

4月29日、30日には福岡県飯塚市総合体育館の落成記念として、福岡第一(福岡)、福岡大学附属大濠(福岡)、開志国際(新潟)の強豪チームが集結した『飯塚カップ2023』に出場し、実力の片鱗を見せつけた。昨年、全国の舞台で暴れることができなかった瀬川は日本一に向け、誰よりも闘志を燃やしている。

「どうやってチームを勝たせていけばいいか、だんだん分かってきた」

──これまでのバスケットボール人生を振り返ってください。

小学校1年生から中学校3年まで指導してくれた本間雄二コーチが非常に良い指導者でした。メンタルの部分で結構鍛えられて、4年生くらいの時からずっと「お前が引っ張っていけ」と言われていました。なので、年齢は関係なしに自分が絶対に先頭に立ってやるという意識は勝手につきました。

──東山を選んだ理由はなんでしょう?

ピック&ロールから始まったり、オフェンシブチームだったりと自分のプレースタイルと東山のプレースタイルがすごくマッチしていたので選びました。

──中学生の頃から成長したと思う部分を教えてください。

ジャンプシュートの確率だったり、3ポイントシュートの強化もしています。スリーがなかったら、相手が引いてジャンパーも打てないしドライブも行けないので。もっとバランス良く攻められるように強化しています。

──目標としている選手はいますか?

参考にしたり、よく試合を見たりするのは河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)です。自分でも得点が取れるし、周りも生かすバランスの良さと、172㎝と身長が低いのに世界で通用するプレーヤーですごいなと思っているからです。

──将来のビジョンをどのように描いていますか?

A代表に入りたいです。その後は高校2年間での出来次第なんですけど、できれば大学は海外に挑戦したいです。海外からオファーがなかったら日本の大学に進学して、プロに行って、そこで結果を残してA代表になれたらと思っています。まずは、今年に日本一になることが目標です。

瀬川琉久

「チームが困っている時は自分が点を取らないといけない」

──あらためて去年はどんな1年間でしたか?

小学校6年生から中学校3年生までずっと負けなしできたんですけど、勝つってどういうことだろう、どうやったら勝てるのかなみたいな、勝つ感覚が分からなかったです。県予選で骨折して、どうしたらいいのか分からない状況でした。医者には絶対に出たらダメと言われたんですけど、出なくて後悔するより、出て後悔した方がいいと思ってフェイスガードをつけて出場しました。でも新チームになってから少しずつ勝ち方も思い出して、積み上げもできていると思います。

どうやってチームを勝たせていけばいいかというのがだんだん分かってきました。大濠さんだったり、強豪校が集まる試合の中でどれだけ自分が通用するか、どれだけ勝利できるかというのが大切になってくると思いました。

──2年生になり、エースとしてチームを引っ張っていくという自覚はありますか?

もちろんです。チームが困っている時は自分が点を取らないといけないと認識しているので、もっと決定力を高めていかないといけないと思います。

──新人戦では京都精華に勝利して近畿1位になりました。これからインターハイ予選が始まります。

京都精華とは1勝1敗ですが、近畿新人で勝ったからといって気は緩められないと思います。勝ったことを1回忘れて初心に戻り、もう1回勝つぞという気持ちでやっていきます。

──全国の中で負けたくないチームや選手はいますか?

開志国際の平良宗達選手です。小学校5年生の時に初めて「こんなうまい人いるんだ!」って思いました。小学校6年生の時の韓国遠征でたまたま一緒になったんですけど、その時によくしゃべって仲良くなって、ナショナルチームでもずっと一緒でした。

チームとしては大濠さんだったり、前回に負けた開志国際。福岡第一と藤枝明誠はインターハイでベスト4、8で当たると思うので、ライバル視しています。

──日本一になるために個人的に必要なことはなんでしょう?

カードとしてのゲームコントロールだったり、絶対に決めないといけない時の決定力がまだまだです。そこが足りないと思いますが、年齢は関係なく自分がチームの先頭に立っていく気持ちを持っています。

──では最後にインターハイへの意気込み、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

自分のドライブとジャンパーに注目してほしいです。絶対に日本一を獲るので、応援お願いします!