ジェームズ・ハーデン

「ジョエルが復帰してもしなくとも、勝つための準備はできている」

セブンティシクサーズがアウェーに乗り込みセルティックスとのカンファレンスセミファイナル初戦を戦った。大黒柱のジョエル・エンビードが故障欠場する中、ジェームズ・ハーデンが45得点と試合を支配し、119-115で激闘を制した。

第1クォーターでフィールドゴール20本中17本成功と驚異的な決定力を見せたセルティックスの猛攻を食らったシクサーズだったが、ハーデンが16得点を挙げて応戦することで、31-38と許容範囲のビハインドで凌いだ。第2️クォーター以降、セルティックスのシュート確率が落ち始め、ここから試合は僅差で推移した。試合終盤になっても一進一退の攻防が続く中、シクサーズは残り26秒で1点のリードを許したが、ハーデンが3ポイントシュートを沈め残り8秒で逆転。さらに直後のポゼッションでポール・リードが値千金のスティールを奪い、アウェーで大きな勝利を挙げた。

ハーデンは45得点6アシストを記録し勝利の立役者となった。シクサーズの選手でプレーオフで45得点以上を挙げたのは、ここ50年間ではアレン・アイバーソン以来。チームの歴史に名を刻んだハーデンは、エンビードが欠場しても自分たちのやるべきことに変化はないと語った。「負けると思って試合に臨むことはない。ボストンには勝つために来ている。ジョエルが復帰してもしなくとも勝つための準備はできているんだ」

ハーデンはファーストラウンドのネッツとの4試合で平均17.3得点、8.8アシスト、5.5リバウンドを挙げたが、フィールドゴール成功率はわずか34.3%と不調だった。レギュラーシーズン終盤に足を痛めた影響もあってか、持ち味である緩急をつけた変幻自在のドリブルで相手ディフェンスを切り崩すプレーの精度が低かった。コンディション不良もあり、大きく精彩を欠いた昨年のプレーオフの二の舞を心配する声が出てきたが、その雑音を一気に吹き飛ばす大暴れだった。

ハーデンは自身のパフォーマンスをこう振り返った。「久しぶりにゾーンに入る感じだった。感触は良かった。アグレッシブにプレーしてシュートを打つ。これこそ僕がやりたいことであり、それをできたと思っている」

シクサーズはレギュラーシーズン中のエンビード不在の試合で11勝5敗と結果を残していた。この総合力の高さは、昨シーズンのチームにはなかったものだ。ドック・リバースヘッドコーチは、ここ一番での競り合いの強さへの自信を語る。「私たちには多くのストリートファイターがいる。接戦のまま第4クォーターに持ち込めば、試合に勝つことができる。それが我々の気持ちだ」

セルティックスが総合力で有利と言われるこのカードだが、ハーデンがこの調子を維持していけばシクサーズがこのまま押し切っても驚きはない。