ドウェイン・ウェイド

写真=Getty Images

「年齢を重ねていくから、これが似合うと思ったんだ」

ジャズのドノバン・ミッチェルにとって、ドウェイン・ウェイドは手本にしている良き先輩であり、何かと助言を求めることができる兄貴的存在だ。ミッチェルは、12月2日にアメリカンエアラインズ・アリーナでのヒート戦後、ウェイドとジャージーを交換し、今シーズン限りで現役生活に別れを告げる大先輩から声をかけられた。

この試合後、ウェイドは昨シーズンからミッチェルとの友人関係が続いていること、そして頻繁に電話で話していることを明かした。オフには電話で2時間も話したそうで、貪欲に学ぶ姿勢を持つミッチェルを称えた。

2人は12月12日にソルトレイクシティーで行われたジャズ戦でも対戦し、ミッチェルがウェイドの前で21得点を記録して、ジャズが111-84で勝利した。実は、彼らにとって最後の対戦となった試合前日の夜、ミッチェルはウェイドの功績を称え、夕食会を開いた。宴もたけなわのタイミングで、引退を記念してプレゼントを用意してあることを明かしたミッチェルが、「年齢を重ねていくから、これが似合うと思ったんだ」と語った直後にロッキングチェアが運び込まれる演出で、これにはウェイドも爆笑。「良いロッキングチェアだな」と話し、ミッチェルと握手を交わした。

2人は、お互いのプレースタイルにも共通点があることを実感している。スラッシャー型のミッチェルは、誰よりもウェイドの動きを参考にしていた。そして今年の8月には、カリフォルニアでウェイドと1週間の合同トレーニングを行う機会にも恵まれた。ウェイドもミッチェルに昔の自分を重ね、引退後もNBAキャリア16年で培った経験や知識を伝えていく意向を示している。

先日ロサンゼルスで盟友レブロン・ジェームズとの現役最後の対戦を終えたウェイドだが、『師弟関係』が生まれたミッチェルとも、これから長期に渡って特別な関係を築いていくことになりそうだ。