5本のオフェンスリバウンドからセカンドチャンスを生み出し、チームハイの18得点
4月16日、アルバルク東京はホームでファイティングイーグルス名古屋と対戦。敗れた第1戦を上回る強度の高いディフェンスを遂行すると、ビッグマンを中心としたオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを20点挙げて、83-65で勝利した。
第1戦の85失点からこの日は65失点と、ディフェンスの修正力がうかがえる試合となったが、A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチはオフェンス面でも改善できた点があったと話す。「オフェンスでは、相手が守りづらいスペーシングを取ることができていたと思います。スペースができたことで、インサイド陣の得点も増えましたし、ピック&ロールでギャップを見つけることができました。また、昨日はスクリーンをしても相手のディフェンスをはがし切れていませんでしたが、今日はしっかりとスクリーンをかけることができたと思います。オフェンスの様々なプレーで一体感があった試合でした」
指揮官が振り返るように、この日のA東京は、司令塔のジャスティン・コブスを起点に、第1戦以上にスペースを意識したピックプレーを展開。相手のスイッチによってミスマッチが生まれたライアン・ロシターやセバスチャン・サイズにボールを集め、ペイントからの得点やアシストを量産し、オフェンスでも完成度の高さを見せた。
ルーク・エヴァンスを中心としたビッグラインナップを仕掛けるFE名古屋に対し、ロシターとともに身体を張ってペイントエリアでの失点を36点に抑え込んだサイズは、次のように試合を振り返る。「ディフェンスが今日の勝因だったと思います。昨日の試合はミスが多かったので、今日はそのミスをカバーし、チーム全体で戦えたことがこの結果に繋がったと思います」
守備で身体を張りながら、チームハイの18得点に加えて、5本のオフェンスリバウンドを記録するなど、オフェンスでも力強さを見せたサイズだが、シュート精度にについては満足がいかなかったようだ。「もっと効率の良いプレーをするべきだったと思います。相手とコンタクトした時にミスも出てしまったので、シュートを決め切ることが必要です。しっかりフィールドゴールは打てているので、どれだけディフェンスが来ても決め切れるように力強いプレーをしていきたいと思います」
リーグトップクラスのビッグマンたちが2シーズンで紡いだ信頼関係
A東京は昨シーズンにロシター、サイズを獲得。リーグトップクラスのビッグマンを擁して臨んだ昨シーズンは、ロシターが戦線離脱した影響で本領発揮することはできなかったが、万全で挑んだ今シーズンは、ここまで平均13.5本(リーグ2位)を記録するオフェンスリバウンドで主導権を握ることが、一つの勝ちパターンになっている。
その中でもサイズは、チーム最多となる3.0本のオフェンスリバウンドを獲得し、セカンドチャンスを多く生み出している。もちろん、対戦相手もサイズのリバウンドを警戒し対策を練る。それでも、リバウンドを取り続けられる理由をサイズは次のように語る。「相手チームも自分のことを止めようとしてくることは分かっています。今日のように、激しいディフェンスや2人がかりのリバウンドなどで対応してきますが、相手がどのようにプレーをするかを予測し、タフなプレーを堅実にこなすことを意識しています。また、そういった場面でもフィニッシュ力が大事です」
そして、ロシターのアシストからサイズやアレックス・カークがフィニッシュするシーンが多くあるなど、ビッグマン同士の連携も向上していることについて、次のように話した。「素晴らしい2人とともに2年間プレーできています。ライアンはどのようにプレーするのか、自分がどこにいればパスをもらえるかを予測していて、自分はアレックスとともにリバウンドやポジショニングを阿吽の呼吸で行っています。3人とも昨シーズンよりとてもレベルアップしており、お互いが得意なこと、不得意なことを理解し、コートに入れば自然と良いプレーを出せるようになっています」
この日、チームトップの8アシストを記録したロシターも、サイズと同じくビッグマン同士のチームワークに自信を持つ。「昨シーズンと比較するとケミストリーは本当に良くなっています。どこのポジションにいれば良いか、どこでパスを受ければシュートを打てるか、その考えが噛み合っていると思います。自分がシュートを打つ時は、アレックスとサイズのリバウンドを信頼していますし、彼らのポジション取りが良いからこそ、パスも出せるしシュートも打てます」
今シーズンは多くのバックコート陣が負傷離脱するトラブルに見舞われたA東京だが、信頼関係で成り立つビッグマンの攻守に渡る力強いプレーによって、チャンピオンシップ出場権を獲得した。天皇杯優勝、リーグ制覇の経験を持つサイズは、今後のチャンピオンシップでの戦いで重要なことを次のように話した。「チャンピオンシップはレギュラーシーズンと全く違った戦いになります。私たちは良いチームで、良いシステムを持っているので、それをいかに安定してコンスタントにミスなくプレーできるかが重要です。お互いを信頼し、安定感を出すことが優勝できる最善策だと思います」
サイズが目指す安定感を手に入れ、爆発力を持つバックコート陣が完全復活を遂げた時、A東京のチャンピオンシップ制覇が大きく近づくだろう。
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