前半にリバウンドを支配し、セカンドチャンスから得点重ねる

4月15日、サンロッカーズ渋谷とシーホース三河の第1戦が行われた。

第1クォーター、お互いにテンポの速いトランジションゲームが続く展開となる中、SR渋谷がケビン・ジョーンズと橋本晃佑のマッチアップを起点にしたオフェンスを仕掛けたことで、3点リードで最初のクォーターを終える。第2クォーターに入ると、SR渋谷はライアン・ケリーやジェームズ・マイケル・マカドゥを筆頭にドライブから得点を重ねると、堅い守備からディフェンスリバウンドも取り切って、41-31と2桁リードでオフィシャルタイムアウトへ。

その後も流れを渡さなかったSR渋谷は、素早いボールムーブで三河のビッグマンをペイント外につり出したことで、オフェンスリバウンドを連続で獲得。このクォーターだけでセカンドチャンスポイントを8点奪い、52-36とリードを拡大してハーフタイムへ突入した。

第3クォーターに入ってもSR渋谷の勢いは止まらない。ケリーが長野誠史とのミスマッチを突いてバスケット・カウントに成功すると、続けて3ポイントシュートも沈める。また、ベンドラメ礼生の狙いすましたスティールからマカドゥのバスケット・カウントも飛び出し、開始3分で13-0のランを作って26点差をつけた。

前半から相手のリズムを崩せず大量ビハインドを背負った三河は、西田優大がピック&ロールからアタックを繰り返して得点を稼ぐと、シズ・オルストンも1on1からフリースローを獲得し、少しずつ差を詰める。また、鈴木貴美一ヘッドコーチが「全員でペイントに集まって、ディフェンスとリバウンドを頑張る意識が良い形になった」と振り返るように、ヘルプディフェンスなどでペイントエリアを固めてドライブからの展開を防ぎ、リバウンドからトランジションオフェンスに繋げた。また、クォーター終盤には、ここまで精彩を欠いていたダバンテ・ガードナーが3ポイントシュートや得意のフェイダウェイシュートで連続得点し、じわじわと点差を縮めていった。

三河は、第4クォーターに入っても攻め気を失わず、途中出場の中村太地がドライブからレイアップや味方へのキックアウトを連発するなど起点となり、8-0のランを牽引。オフィシャルタイムアウト前の最後のオフェンスで、中村のアシストからクインシー・ミラーがダンクに成功し、9点差まで詰め寄った。

大幅リードから一気に点差を縮められたSR渋谷は、タイムアウト明けにもミラーの3ポイントシュートを許すが、ケリーがドライブから再びバスケット・カウントに成功すると、残り3分にベンドラメの鋭いドライブからのレイアップも決まり、リードを再び2桁に。その後は、ファウルゲームを仕掛ける三河から得たフリースローを決めて点差を保ち、94-87で勝利した。

第3クォーターのリードを守り切ったSR渋谷の浜中謙ヘッドコーチは、次のように試合を振り返る。「今日も多くのブースターの方に入っていただきました。選手とブースターが一丸となって戦えていることが、こうして結果に繋がっていることをうれしく思います。ただ、後半の終わり方が良くありませんでした。明日の三河さんは、相当な意気込みで来ると思いますので、受け身にならず、出だしからサンロッカーズらしいバスケットができるように、心と身体を準備したいと思います」

中盤の大量ビハインドが響き、敗れてしまった三河の鈴木ヘッドコーチは「前半のトランジションディフェンスやリバウンドが全くダメでした。後半はそこをしっかりやれて何とか追いついたので、明日は最初からしっかりできるようにしたいと思います」と試合を総括し、終盤の猛追を次のように評価する。「後半の粘りは良かったですし、先に繋がるバスケットができたと思います。まだまだ若い選手が多いので、状況判断でのミスもありますが、いろんなことを経験しながら成長してくれたら良いです」

そして、三河は今日の敗戦でチャンピオンシップ出場の望みが絶たれた。しかし、残りの8試合を変わらず戦い続けることを誓う。「プレーオフや残留を狙うチームはより激しい試合をしていると思います。その中でチャンピオンシップ出場争いに入れなかったといって、最後まであきらめてしまうような試合が絶対にないように、明日もしっかり戦いたいと思います」