マイク・コンリー「僕らに必要なのは、ただ大人であることだ」
レギュラーシーズン最終戦で西カンファレンスの8位と9位、ティンバーウルブズとペリカンズが対戦した。同じプレーイン・トーナメントでも8位であれば2試合のいずれかで勝利すればプレーオフに行けるが、9位になると2連勝が必要となり、この直接対決はすでに一発勝負のプレーイン・トーナメントのような緊張感があった。
第1クォーターにブランドン・イングラムが21得点を奪う活躍でペリカンズが2桁のリードを奪うも、ウルブズはそこから反撃。第3クォーター序盤に追い付いた後は大接戦となった。残り1分半で1点差だったが、最後はマイク・コンリーが巧みにゲームをコントロールし、アンソニー・エドワーズがCJ・マッカラムのシュートをブロック、続くオフェンスが止められてもコンリーがすぐにボールを奪い返し、エドワーズのバスケット・カウントに繋いで勝負あり。ウルブズが113-108で激闘を制した。
しかし、せっかくの勝利をウルブズは十分に喜べなかった。試合途中に大きなトラブルが発生していたからだ。第2クォーター途中、36-48と負けている場面。散々にやられているイングラムを誰も止めに行かないディフェンスのミスからダンクを許してタイムアウトを取ったのだが、この時のベンチでルディ・ゴベアとカイル・アンダーソンが衝突した。
アンダーソンに守備意識の低さを指摘されたゴベアが怒り、殴りかかった。実際にパンチは届かず、すぐに2人はチームメートに引き離されたが、チームの結束とはほど遠い光景が繰り広げられた。その後のロッカールームでも2人には激しい言葉の応酬があったという。ウルブズ首脳陣はその時点でゴベアを試合から外し、帰宅するよう命じた。
プレーイン・トーナメントを前に、ゴベアには処分が下されるかもしれない。ヘッドコーチのクリス・フィンチはそれには触れず、「誰もその行動を誇りには思わない。根本的な原因が何だったのかはこれから掘り下げるが、選手たちは思うようにプレーできずイライラしていた」と語るに留めている。
誰も事態を大袈裟にしたくはない。ベテランのコンリーは、「気持ちの入るゲームだったし、カイルもルディも負けん気が強いから、こういうことも起きる。僕らに必要なのは、ただ大人であることだ」と言う。当事者のアンダーソンも「感情が高ぶっただけ。それだけなんだ。僕らは大人だし、話し合って前に進むよ」と語っている。
トラブルはそれだけではない。先発フォワードのジェイデン・マクダニエルズは何もかも上手くいかなかった第1クォーター終盤に荒っぽいファウルをして、冷静さを欠いているとしてベンチに下げられた。彼はそのままロッカールームに向かい、通路の壁を殴ったのだが、この時に右手を骨折したと報じられている。
コンリーは「大人であることが必要」と語ったが、この試合のウルブズは精神的に未熟であることを複数の場面で露呈してしまった。勝たなければいけない試合に勝ちはしたが、その過程には大きな問題があったと言わざるを得ない。
レイカーズとのプレーイン・トーナメントは中1日を挟んですぐに行われる。ここからはレギュラーシーズン以上に、チームが結束し、そして賢く戦うことが求められるが、ウルブズはこのトラブルを乗り越えて前に進めるだろうか?