クリス・ポール

最終クォーター33点のうち、29点がベンチメンバーによる得点

現地3月27日、サンズがアウェーでジャズと対戦した。エースのデビン・ブッカーが24得点を挙げ、すべてのクォーターを30失点以下に抑える堅いディフェンスにより117-103で勝利。これでアウェーでの連敗を4で止めたサンズは、今シーズン40勝35敗とし、クリッパーズとわずか0.5ゲーム差ながら、プレーオフ1回戦でホームコートアドバンテージを得られる西カンファレンス4位の座を守っている。

試合は互角のスタートとなったが、臀部の打撲から5試合ぶりの復帰となったディアンド・エイトンの得点などで第1クォーター残り5分を切ってから突き放しにかかる。そしてブッカーの活躍もあり、37-26とリードを奪ってこのクォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、サンズは3ポイントシュートが17本中4本成功とシュートが全く入らず、ジャズに追い上げを許し、嫌な流れでハーフタイムを迎えた。後半に入っても接戦は続いたが、第4クォーター序盤にキャメロン・ペインとビスマック・ビオンボを筆頭としたセカンドユニットの活躍により、残り8分半で98-86と再びリードを2桁に広げる。これで主導権を握ったサンズはタフなディフェンスに加え、このクォーターだけで7つのオフェンスリバウンドを獲得するなど、ジャズよりも大きくポゼッション数で上回り、反撃の機会を与えずに逃げ切った。

試合の明暗を分ける大きなポイントなったのは、ベンチメンバーの得点だ。サンズの57点に対し、ジャズは25と倍以上の差が生まれた。特に第4クォーターのサンズは全33点のうち、29点をベンチメンバーが稼いだ。モンティ・ウィリアムスヘッドコーチも次のように勝因を語る。「私たちのベンチは、フィジカルとディフェンスの部分で、試合のダイナミックさを変えてくれた。これによってトランジションを出すことができた」

サンズはトレード期限の締め切り間際にネッツからケビン・デュラントを獲得。一気に優勝候補に浮上したが、代償として4つのドラフト1巡指名権とともにミケル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソンを放出するなど、課題とされていた選手層がさらに薄くなってしまった。それだけに中心選手のクリス・ポールも、ベンチメンバーのステップアップを重要視する。「僕たちが望む順位を勝ち取るためには、毎日違った選手たちが活躍しないといけない。この点についての手応えをプレーオフまでに得る必要がある」

そして本日、15分の出場で13得点、5リバウンドを挙げたテレンス・ロスは「ベンチはより一体感が出始めている。僕たちが試合に入った時、よりリズムに乗ってプレーし、違ったレベルのエナジーを出せるようになっている」とセカンドユニットのケミストリーに手応えを見せる。

デュラントの不在が続く中、サンズが今のカンファレンス4位の座を死守するにはチームの底上げが必須となる。この試合を見る限り、良い流れが来ているのは間違いない。