「数字で見るBリーグ」短い時間でも、ボールを持てば得点してくれる仕事人は誰だ? 『得点期待値』を紐解く

「数字で見るBリーグ」短い時間でも、ボールを持てば得点してくれる仕事人は誰だ? 『得点期待値』を紐解く

2023/03/27 18:00
スコット・エサトン、長谷川技

一度のオフェンスで期待される得点数が多いほど、ランキング上位に

この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。

今回は、選手の真の得点能力を知ることができるスタッツ、『得点期待値』をご紹介。選手のオフェンス力を測るスタッツとして最もポピュラーなのは、公式サイトで見ることができる得点(Pts)だろう。 確かに、1試合の平均得点が高い選手は、エースとしてチームを引っ張っていることに疑いの余地はないのだが、平均得点だけでは、途中出場する選手たちのオフェンス能力を測ることは難しい。

そこで重要になってくるスタッツが『得点期待値』である。このスタッツは、その選手が獲得する得点をその選手の攻撃回数(シュート本数ではないことに注意)で割ることで、1回の攻撃で期待できる得点を割り出すことができる。

計算式はこちら

スタッツ

pPts =選手の総得点
pPosession = 選手がシュート、ターンオーバー、フリースローを得た回数{FGA + TOV + (0.44×FTA)}
FGA=フィールドゴール試投数、TOV=ターンオーバー、FTA=フリースロー試投数

まずは、比較するために選手の得点のランキングを見ていこう。※25試合以上出場チーム抜粋

順位 チーム 選手 背番号 ポジション PPG
1 島根 ペリン・ビュフォード #7 SF 22.0
2 三河 ダバンテ・ガードナー #54 PF 20.8
3 名古屋D コティ・クラーク #4 PF 20.3
4 川崎 ニック・ファジーカス #22 C 20.1
5 群馬 トレイ・ジョーンズ #4 SF 20.0
6 新潟 コフィ・コーバーン #21 C 19.8
7 富山 ブライス・ジョンソン #5 PF 19.7
8 横浜BC 河村勇輝 #5 PG 19.4
9 大阪 ディージェイ・ニュービル #25 PG/SG 18.6
10 三遠 カイル・オクイン #9 C/PF 18.3
11 北海道 ブロック・モータム #12 PF 18.2
12 京都 ジェロード・ユトフ #1 PF 18.0
13 秋田 スタントン・キッド #7 SF 18.0
14 信州 ジョシュ・ホーキンソン #24 C/PF 17.6
15 富山 ジョシュア・スミス #34 C 17.3
16 SR渋谷 ライアン・ケリー #34 SF/PF 17.3
17 千葉J クリストファー・スミス #34 SG/SF 16.9
18 SR渋谷 ケビン・ジョーンズ #5 PF 16.9
19 広島 ドウェイン・エバンス #13 SF/PF 16.8
20 京都 シェック・ディアロ #31 C/PF 16.7
21 琉球 ジャック・クーリー #45 C 16.6
22 仙台 ラショーン・トーマス #25 C/PF 16.4
23 千葉J ヴィック・ロー #4 SF/PF 16.3
24 琉球 アレン・ダーラム #7 C/PF 16.0
25 島根 安藤誓哉 #3 PG 16.0
26 島根 ニック・ケイ #4 C/PF 15.9
27 千葉J 富樫勇樹 #2 PG 15.9
28 名古屋D スコット・エサトン #43 C/PF 15.7
29 広島 ケリー・ブラックシアー・ジュニア #8 C/PF 15.7
30 横浜BC チャールズ・ジャクソン #10 C 15.6
31 富山 ノヴァー・ガドソン #23 SF 15.5
32 北海道 ショーン・ロング #21 C/PF 15.3
33 茨城 チェハーレス・タプスコット #11 PF 15.2
34 SR渋谷 ジェームズ・マイケル・マカドゥ #14 C/PF 14.9
35 千葉J ジョン・ムーニー #33 C/PF 14.8
36 三遠 アイゼイア・ヒックス #4 PF 14.8
37 広島 ニック・メイヨ #24 C/PF 14.6
38 FE名古屋 アンドリュー・ランダル #0 SF 14.5
39 新潟 ケヴェ・アルマ #4 C/PF 14.3
40 信州 岡田侑大 #77 PG/SG 13.8
41 仙台 ジャスティン・バーレル #24 C/PF 13.6
42 滋賀 ケルヴィン・マーティン #1 SF/PF 13.4
43 茨城 エリック・ジェイコブセン #21 C/PF 13.3
44 仙台 ネイサン・ブース #45 C/PF 13.3
45 FE名古屋 ジェレミー・ジョーンズ #22 SF/PF 13.0
46 京都 マシュー・ライト #7 PG 13.0
47 FE名古屋 ジョナサン・ウィリアムズ #14 C/PF 12.9
48 群馬 マイケル・パーカー #3 PF 12.8
49 宇都宮 アイザック・フォトゥ #42 PF 12.7
50 FE名古屋 エヴァンスルーク #3 PF 12.7

続いて、得点期待値ランキングTOP50がこちら。※25試合以上出場チーム抜粋

順位 チーム 選手 背番号 ポジション PPG 得点期待値 3FG% 2FG% USG%
1 名古屋D スコット・エサトン #43 C/PF 15.7 1.25 42.90% 70.12% 17.94%
2 千葉J クリストファー・スミス #34 SG/SF 16.9 1.24 45.50% 60.29% 18.73%
3 川崎 ジョーダン・ヒース #35 C/PF 12.5 1.23 37.30% 77.19% 13.17%
4 琉球 ジャック・クーリー #45 C 16.6 1.19 28.60% 61.52% 19.83%
5 富山 ジョシュア・スミス #34 C 17.3 1.19 50.00% 71.61% 15.03%
6 広島 ニック・メイヨ #24 C/PF 14.6 1.18 46.80% 57.74% 16.74%
7 島根 ニック・ケイ #4 C/PF 15.9 1.18 43.40% 58.18% 19.98%
8 千葉J ジョン・ムーニー #33 C/PF 14.8 1.18 27.70% 63.17% 15.92%
9 茨城 エリック・ジェイコブセン #21 C/PF 13.3 1.17 39.60% 62.67% 16.18%
10 横浜BC チャールズ・ジャクソン #10 C 15.6 1.17 0.00% 67.93% 19.23%
11 群馬 マイケル・パーカー #3 PF 12.8 1.17 34.80% 67.38% 14.14%
12 川崎 長谷川技 #33 SF 3.3 1.16 43.30% 53.33% 4.11%
13 広島 朝山正悟 #2 SG/SF 2.0 1.15 38.00% 75.00% 2.66%
14 SR渋谷 ケビン・ジョーンズ #5 PF 16.9 1.14 41.80% 56.70% 21.40%
15 北海道 ショーン・ロング #21 C/PF 15.3 1.14 25.00% 64.87% 19.23%
16 群馬 ケーレブ・ターズースキー #25 C 10.4 1.14 0.00% 63.51% 12.41%
17 信州 ジョシュ・ホーキンソン #24 C/PF 17.6 1.14 33.90% 60.85% 22.76%
18 北海道 ブロック・モータム #12 PF 18.2 1.14 42.50% 61.18% 22.87%
19 三遠 金丸晃輔 #14 SF 10.2 1.12 38.90% 50.50% 8.47%
20 京都 シェック・ディアロ #31 C/PF 16.7 1.12 18.80% 65.31% 21.49%
21 群馬 トレイ・ジョーンズ #4 SF 20.0 1.10 39.60% 57.11% 24.11%
22 広島 辻直人 #3 SG 10.2 1.10 40.00% 55.41% 13.95%
23 A東京 ライアン・ロシター #22 C/PF 10.5 1.09 26.90% 56.99% 14.38%
24 島根 ウィリアムスニカ #28 C 9.4 1.09 0.00% 64.00% 10.55%
25 三河 ダバンテ・ガードナー #54 PF 20.8 1.09 31.50% 58.11% 29.04%
26 名古屋D コティ・クラーク #4 PF 20.3 1.09 42.50% 56.60% 25.87%
27 広島 ケリー・ブラックシアー・ジュニア #8 C/PF 15.7 1.08 42.50% 54.41% 21.58%
28 名古屋D モリス・ンドゥール #5 C/PF 10.3 1.08 20.00% 61.14% 10.40%
29 茨城 トーマス・ケネディ #1 SF/PF 11.3 1.07 39.00% 50.00% 15.47%
30 SR渋谷 ジェームズ・マイケル・マカドゥ #14 C/PF 14.9 1.07 25.00% 59.28% 16.17%
31 大阪 合田怜 #20 PG/SG 6.1 1.06 41.20% 45.07% 8.52%
32 大阪 ディージェイ・ニュービル #25 PG/SG 18.6 1.06 36.80% 58.36% 27.23%
33 宇都宮 アイザック・フォトゥ #42 PF 12.7 1.05 33.30% 55.50% 18.41%
34 琉球 アレン・ダーラム #7 C/PF 16.0 1.04 30.30% 57.82% 22.79%
35 広島 ドウェイン・エバンス #13 SF/PF 16.8 1.04 34.60% 55.87% 21.93%
36 SR渋谷 ライアン・ケリー #34 SF/PF 17.3 1.04 31.80% 52.96% 20.80%
37 琉球 ジョシュ・ダンカン #1 PF 10.9 1.04 45.00% 51.88% 15.71%
38 川崎 マイケル・ヤングジュニア #2 PF 12.5 1.03 38.60% 59.62% 17.57%
39 三遠 細川一輝 #29 SG 10.5 1.03 41.40% 43.75% 15.30%
40 仙台 片岡大晴 #91 SG 3.7 1.03 32.90% 65.85% 4.69%
41 横浜BC エドワード・モリス #32 PF 1.1 1.03 25.00% 78.26% 1.53%
42 島根 安藤誓哉 #3 PG 16.0 1.02 38.30% 46.33% 23.09%
43 三遠 根來新之助 #15 SF 1.4 1.02 33.30% 66.67% 1.50%
44 三遠 カイル・オクイン #9 C/PF 18.3 1.02 29.80% 59.16% 19.20%
45 千葉J ヴィック・ロー #4 SF/PF 16.3 1.02 37.00% 53.20% 20.91%
46 富山 ブライス・ジョンソン #5 PF 19.7 1.02 34.30% 58.40% 20.60%
47 名古屋D レイ・パークスジュニア #22 SG 11.0 1.02 36.10% 51.68% 13.22%
48 FE名古屋 アンドリュー・ランダル #0 SF 14.5 1.01 28.70% 51.88% 16.25%
49 SR渋谷 石井講祐 #27 SG 7.4 1.01 34.00% 55.41% 7.25%
50 千葉J ギャビン・エドワーズ #21 PF 9.2 1.01 26.60% 66.21% 10.97%

公式サイトの得点ランキングと比較してみると、得点ランキング1位のペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)と4位のニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が得点期待値ランキングでは、なんとTOP50からも外れてしまうという衝撃的な結果に。しかし、これは決してネガティブな結果ではない。その理由は、チームのエースは最後のシュートを狙うことが多いため、1vs2や1vs3などの不利な状況でオフェンスをする場面が多く、シュートミスやターンオーバーが増える傾向にあり、期待値が下がるためだ。

さらに得点期待値ランキングを見てみると、ジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)、エリック・ジェイコブセン(茨城ロボッツ)、ジョン・ムーニー(千葉ジェッツ)、チャールズ・ジャクソン(横浜ビー・コルセアーズ)などが、オフェンスリバウンドからゴール付近でのセカンドチャンスポイントが多いため、上位にランクインしている。また、ボールを受けてシュートを放つことを役割としている3ポイントシューターもターンオーバーが少ない傾向にあるため、こちらも上位にランクインしている。反対に、ターンオーバーの機会が多いポイントガードは3人しかランクインしていない。

それらを踏まえた上で、個人的に注目選手を挙げるならば、高いUSG%(オフェンス占有率)でありながら抜群の得点能力を持つクリストファー・スミス(千葉J)、ニック・ケイ(島根)。また、20%を超える圧倒的オフェンス占有率を持ち、ターンオーバーの確率が高いポイントガードでありながら、ランキング上位のディージェイ・ニュービル(大阪エヴェッサ)、安藤誓哉(島根)。そして、正に技が光る仕事人の長谷川技(川崎)の5選手になる。

このランキングに推しの選手がランクインしていなかったとしても、推しチームに対する別の見方を持つ機会としてもらえるとありがたい。

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