「楽しんでプレーしていた頃のバスケに戻ったような感じだよ」
結局、レギュラーシーズンが残り10試合を切ったこの段階でもレイカーズは浮上できず、36勝37敗でプレーイン・トーナメント進出ギリギリの10位に付けている。プレーオフのストレートインとなる6位ウォリアーズまでは1.5ゲーム差だが、そこから12位のジャズとペリカンズまでの7チームが2ゲーム差でひしめく状況で、ライバルすべてを上回るのは難しいと言わざるを得ない。プレーイン・トーナメント圏内を守るのは最低限のノルマとして、一つでも順位を上げ、なおかつチームとしての戦い方をどこまで成熟させられるかが問われる。
そのレイカーズに一つの朗報となるのが、レブロン・ジェームズの復帰だ。現地2月26日のマーベリックス戦を最後に右足を痛め、戦線離脱が1カ月になろうとしているレブロンは、コート上での練習を再開するまでに回復した。『ESPN』などのメディアが「レギュラーシーズン最後の数試合に出場する予定」と報じたが、レブロンはこれが気に入らなかったようで「ケガの評価もしていないし、いつ復帰するかの目標も決まっていない。ただ完全復活に向けて1日3回のワークアウトをしているところだ」と反論している。
復帰がいつになるかは別にして、その日が近付いているのは確かだ。レブロンはチームトップの29.5得点を記録し、チームトップの6.9アシストを記録し、アンソニー・デイビスに次ぐチーム2位の8.4リバウンドを記録している。
キャバリアーズ時代のように満身創痍でもコートに立ち続けたバイタリティは、38歳になった今のレブロンにはないのかもしれない。回復に時間がかかるようになり、無理をすれば反動が大きいことを彼自身が経験から学んだ。幸いにして今回レブロンが離脱している間、チームは7勝5敗と勝ち越しており、大きなジャンプアップはないもののチームの結束が増し、雰囲気は悪くない。
『脇役』ながら最近になって大いに調子を上げ、これまで1試合もなかったチーム最多得点を直近の4試合で2回、チーム最多アシストを直近の9試合で5回(直近の5試合では4回)記録しているオースティン・リーブスは、「コート上で何でもできてしまうブロンが抜けたから、彼の仕事をみんなで補う必要があった。僕も今までよりもっとアグレッシブに攻め、チームメートと連携し、得点に絡むよう意識している。自分が好きな方法、楽しんでプレーしていた頃のバスケに戻ったような感じだよ」と語る。
リーブスの成長はレイカーズにとって大きな収穫だ。あと何人かの若手が彼に続いてステップアップし、そこにレブロンの復帰が重なれば、チームはこれまでとは全く別の戦いができるようになる。