アンソニー・エドワーズ

クリス・フィンチ「我々にはまだ戦えるだけの選手がいる」

アンソニー・エドワーズが痛みで叫びんでフロアを叩き、「タイムアウト!」の悲鳴にも似た声が上がった。現地3月17日のブルズ戦の第1クォーター途中で、ティンバーウルブズはエースをケガで失うことになった。

エドワーズはジャンプしてパスを出した後、着地の際に右足首をひねった。自分では起き上がることができず、ふくらはぎ痛により私服で観戦していたカール・アンソニー・タウンズに支えられてコートを出た。

ただでさえ強豪との対戦が続く厳しいスケジュールで1勝3敗だったところにエドワーズのケガが重なり、ブルズ戦とラプターズ戦を落としてウルブズは失速。現在は西カンファレンスの8位だが、9位に並ぶサンダーとジャズとはゲーム差なし、プレーイン・トーナメント圏外となるその下には、0.5ゲーム差でレイカーズ、1ゲーム差でペリカンズという大混戦。ウルブズの先行きは非常に厳しいものになってしまった。

「アント(エドワーズのニックネーム)の状態は気掛かりだが、我々は再び集中して前に進まなければならない」とヘッドコーチのクリス・フィンチは言う。「彼の離脱はものすごく大きな痛手だ。しかし我々にはまだ戦えるだけの選手がいる。アントのダイナミックなシュートを失い、アイソレーションの機会は減るだろう。ボールを動かし、運動量を増やし、コンビネーションに頼ることになる」

ルディ・ゴベアはこの状況を「計算することはあまりない。ただ戦うだけだ」と語る。「誰が出ても試合に勝つ。あとはアントのケガが軽く、できるだけ早く戻ってくること、KAT(タウンズ)も早く戻ってくることを願うだけだ。ただ、誰が出ても試合に勝つことだけを考えたい。僕らの前には大きなチャンスがあって、それを逃すわけにはいかない」

エドワーズが出場している時、ウルブズのオフェンスレーティングはリーグ16位の113.7だが、彼を欠くと106.5まで落ちる。エースである彼にボールを託し、アイソレーションを仕掛けることが多いウルブズにとって、彼抜きのバスケは考えられない。しかし、実際問題としてレギュラーシーズンの残り試合数は10で、そのいくつかをエドワーズ抜きで戦うことになる。

幸いにも足首の腫れは引いており、フィンチは「最初に心配したほどひどくはないようだ」とコメントしている。そう遠くないうちにプレーを再開できそうだ。それでもエドワーズはブルズ戦まで71試合すべてに出場してきて、負担が大きかったのも事実。彼は試合に出続けることに強いプライドを持っているが、プレーイン・トーナメントとプレーオフを見据えれば、万全の状態まで回復するのを待って復帰させたいところ。ゴベア獲得という大勝負を選択したウルブスにとって、勝負するのは『今』しかないのだ。